理を愉しむ中国武術を目指して <東京功夫 小桜会> Menu

2015年12月12日(土) 練習日誌③ おまけ~忘年会~

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今年一年ももうすぐ終わり。

年の最後の投稿は、平和的に忘年会の話題にて。

今年は会員さんのお祝いごとが続きまして。

ご出産やご結婚など。

めでたいことはよきことかな。

その分環境や生活には変化がつきもので。

練習そのものには参加し難くなることもあります。

それでも。

忘年会で一堂介することができるのは。

ありがたいこと。

武術の道は道として続くものなので。

しばらく立ち止まることも問題ではなく。

立ち止まっているようでも。

その間の経験が活かされることもあります。

環境や生活が整えば。

また再会して再開できるもの。

そういった場としてあり続けられれば。

それが一番だと僕は思う。

みんなの元気な姿をみながら。

ちょっとしたお酒と料理で談を囲む。

来年もそれぞれのペースでそれぞれの意味で。

健やかに愉しんでもらえたらそれが何より幸い。

ひとまず今年は幕が下ります。

このブログにちょっと立ち寄ってくださった皆様も。

よい年をお迎えください。

2015年12月26日(土) 練習日誌① 今年最後の練習は套路で〆

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愛知の今年最後の練習。

練習の大半は基本的な身体の動かし方をトレーニング。

最後の最後は各自に合わせて套路に取り組んでもらった。

太極拳は簡易式。

八極拳は小八極。

加えて、新しめのメンバーには。

特性を考えて形意拳を。

こちらはまだ套路とまではいかないので。

まずは起式の3分の2ほどを。

どの拳種でも。

起式とか開門式とか存在するけれど。

どの動作も単純にみえるがおろそかにできない。

なにしろ。

これらの動作は学習者が最も多く繰り返すことになるから。

套路はとても合理的にできていて。

勿論その全体で思想そのものを成立させていたりもするだろうけれど。

その套路の中で特に学ぶべきもの。

身につけるべきものというのは。

開始に近いところに配置されている。

とにかく繰り返しが大事だから。

身体に当たり前のように染み込ませなくてはならない。

反対に。

ここを適当にこなしてしまうと。

適当な基盤が出来上がってしまうことになる。


簡易式も小八極も形意拳の起式も。

きちんと立身中正を守って並歩で立つところから。


簡易式は足を開いて手を挙げていく。

まさにその一挙手一投足を。

小八極は拳同士を合わせるために肘を外に張り出すことが。

形意拳も足先を開いて両手を大きく開き挙げていくこと。

それから肘を使って電柱を抱えるように丸く両手を合わせていくこと。

それらを丁寧に注意深くなぞっていく。


それは確かな基盤の生成であって。

入門への儀式(セレモニー)であって。

無駄なく抜かりなく取り組まなくてはいけない。

とはいえ。

はじめから完璧さは求め得るものではないので。

心構えだけ持っていればまずはいい。

年の瀬に開始に拘ってみたけれど。

終わりははじまりではじまりは終わりと繋がっているから。

そんな練習の一幕でした。

2015年12月13日(日) 練習日誌② 足首を緩めて足を擦る

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歩法の基本の練習への取り組み。

足を前後に開いて。

スタンスの幅はお好みに合わせて。

はじめは狭い方がやり易いかもしれない。

前脚の膝は足首よりも後ろに位置させておく。

ここから。

立ち方それぞれに癖はあるけれど。

後ろ足に全体重を預けていない限り。

前脚を持ち上げようとすれば。

支えの均衡が崩れて体は前に進み始める。

崩すべき支えは。

跨(こ)であったりするけれど。

連動して膝と足首が緩んでくれないと。

その推進力は逆流してしまったりする。

一たび身体が進み始めてくれたら。

重心が土踏まずから出ていく前に後ろ足の進行に交替させる。

そこを越えて爪先まで重さが乗ってしまうと。

重さのコントロールが難しくなる。

できれば後ろ足は地面を擦るように。

踵を上げることなく前に出したい。

足の出し方は蹴りとして脚を操るときと同じく。

その姿は。

能の歩き方に似た感じ。

しずしず。

しずしずと。

腰、跨、膝、足首、それぞれの動きを確かめながら。

みんな自分の身体と対話するように。

思い思いの方向に。

静かに歩き続けていく。

武術は自分の外との付き合いも大事だけれど。

まずは自分自身との付き合いが大事。

真似て、まねび、学びながら。

日頃おざなりにしてきた感覚を思い出す。

そこに熱中している様は。

とても愉快だと思う。

そんな練習の一幕でした。

2015年12月13日(日) 練習日誌① 小八極の起式から

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人が集まり出す前に。

八極拳に取り組んでいる会員さんと套路の練習を少し。

小八極の起式と雙抱拳。

手を下ろして真っ直ぐ立った姿勢から。

徐に肚の前で握った拳の拳面同士を向い合せる。

拳心が天を向くように。

ここまでが起式。

そこから拳が身体の前で円を描くように回して。

今度は拳背が天を向いた状態で拳面同士を向い合せる。

ここまでで雙抱拳。


真っ直ぐ立った時点で姿勢を整えて立身中正を保つのは大前提。

はじめに拳面を合わせるのだけれど。

ここの注意点は屈筋で力強く腕を動かさないこと。

まずは肘を横に張り出すように。

そして橈骨を外に押し出して手首が曲がるように。

体の中心の使い方にも気は使うけれど。

末端の心遣いも大事だ。

一度拳面を合わせたら。

肘が固定されないことに注意しながら腕を転回させる。

肘が固定されないこと。

ここに注意して意識してみると案外むつかしい。

加えて手首も動き続けること。

手首の傾きは雙抱拳の間に入れ替わる。

伸展していた拳背側は屈曲し。

屈曲していた拳心側は伸展する。

ともすると手首だけその転換を一方的に終わらせてしまいがち。

肘も手首も仲良くだ。


注意が守られているかどうかは。

パートナーに上腕、前腕、拳のあちこちを。

動かないように握ってもらうことで確かめられる。

上手く動かせられていれば。

一時もその動きを妨げることはできない。

その度はあるとはいえども。

見た目の動きを止めることができても。

その作用は止めようとした側の体幹に現れたりする。

でも大事なのは。

自分が成そうとしたことが為っているかどうか。


起式は単純ながらも。

動きの基本となる使い方を内包している。

それを一番たくさん練習できるように。

套路は構成されている。

そんな練習の一幕でした。

練習予定:2015年12月26日(土)

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愛知の練習予定日です。

日付 2015年12月26日 土曜日
時間 10:00~13:00
施設 刈谷市内
場所 多目的室



※見学・体験OK(費用なし)です。
※体験されたい方は運動できる恰好と室内シューズを用意ください。
※事前にメール連絡をお願いします。
※施設の場所はメールをいただいた後に別途連絡いたします。

2015年12月12日(土) 練習日誌② 肩甲骨を返して腕を上げる

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気をつけの姿勢から。

腕を肩に水平な位置まで上げてみる。

ただ単に肩や腕の力でも上げることはできるけれど。

前から両手で押さえられている場合。

中々それを跳ね返して腕を上げるのは難儀なものだ。

そこで。

沈肩墜肘をしっかり意識して。

腕がしっかりと体幹と結びつくようにする。

沈肩墜肘で大事なのは。

前腕と肩甲骨、鎖骨の位置関係だと思う。

これらの位置関係が。

きちんと密接に結びついていれば。

例え挙手したような状態であっても。

沈肩墜肘の要件は守られていると言える。


そして。

沈肩墜肘が守られていれば。

背面跳びのように胸を突き出して。

肩甲骨を背中の下に向けて返していくと。

肩も回ることになって腕も上方へめくれ上がる。

これも末端ではなく。

体幹からの運動に他ならない。

例え両手で前から押さえられていても。

それをものともせずに腕を上げることができる。

大きな力が働くこともあるけれど。

肩甲骨や胸という大きなモノが動いた力が。

腕の構造を通して相手に伝わることがもっと大事。

体幹からの勁力が腕に通ったら。

肘の力を抜きながら前腕を操っていけば。

体幹からの力を伴いながらさらに自由度の高い動きができる。


身体を使って腕を上げることに慣れたら。

相手に適当に打突を入れてもらって。

片手、両手好きなやり方で。

身体で腕を操作して。

肘で前腕を操作して。

柔らかく相手の腕や体に接触していく。

勁力の通った腕や手で触れることで。

接触した瞬間から相手に勁力が流れ込み始める。

端に腕が捌かれるだけではなくて。

身体が揺らされてバランスを崩しやすくなる。

適当に動いているようにみえても。

それが即ち制圧につながる。

だけれどそこにぶつかりあう力は存在しない。

そんな練習の一幕でした。

2015年12月12日(土) 練習日誌① 肘で前腕を繰る

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基本的な腕の使い方を練習するために。

肘で前腕を操る練習に取り組む。

相手と接触したときに。

接触面に力を掛けて反作用をもらわないために。

斜め下に向けて差し出した自分の前腕を。

相手に両手で握ってもらう。

木刀を掴むような形だ。

この状態から。

肘を使って前腕を操作して腕を上げたり。

横に振ったりしてみる。

身体本体の力は一切作用させずに。

肘の操作だけで試みる。

普通に力こぶを作るように腕を動かそうとしても。

両手でがっしりと止められてしまう。

当然と言えば当然なのだけれど。

片腕 vs 両腕では、両腕の方が単純腕力では強い。


ここで大事なことは。

肘で前腕を操るといっても。

上腕と前腕をヌンチャクに見立てて。

振り回すように動かすのとは違うということ。

前腕が橈骨と尺骨の二本で形成されていることを意識して。

コの字型に折りたたんだ三節昆の。

両端を握って操って形を変えるように操ってみる。

ぐるぐる回すよりも。

肘を上腕で押したりスライドさせたり。

引いたりすり鉢をなぞるように動かしたり。

前腕は二本の骨がその位置関係を変えるように動いていく。

その複雑な動きを止めることは難しい。

そして。

末端ではなく。

より体幹に近いところで起こった動きは。

接触面で跳ね返されることなく。

相手の握った腕を通して。

相手の体幹まで揺らしてくれる。

上手く動くことができれば。

特に関節技を掛けようとかしなくても。

勝手に相手は捻じれ、歪み、もたれてくることになる。


握られた状態からだけでなく。

自分から能動的に。

相手の脇から腕を挿し込んで。

両手で輪っかを作って相手の肩に触れてみる。

手で押し込んで関節を取ろうとするのではなく。

肘をスライドさせて輪っかを変形させてみる。

その動きの揺れに耐えられず。

相手はぺしゃりと地面に潰れてしまう。

起こすのは自分の形の変化。

起こるのは相手の形の変化。

何とかしてやろうと思うと逆に反作用が返ってくる。

自分が何とかなろうとすると意外なほどあっさり作用が起こる。

そんな練習の一幕でした。

雑記:ばらばらにしたらくっつける

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体をばらばらに動かせるようになったら。

今度は逆にくっつけることも意識する。

それなら初めからばらばらにしなくても…。

と思ってしまうかもしれない。

だけれど。

目指しているのは木の板のようなものではなく。

竹のようにしなやかで柔軟なものであったりするから。

くっついてしまっていることと。

くっつけることはちょっと違うと捉えている。

くっついていないことで。

水がどんな形にもその姿を合わせられるように。

隙間をみつけて動き出すことができる。

くっつけることで。

力の連鎖が起こって勁力を伝播させることができる。

そのためには。

力みによる圧縮ではなくて。

部位を結びつける密着を必要とする。


胸を自由に分離して動かすことができたら。

誰かパートナーに拳や掌をあてがわせてもらって。

胸を円形にぐるぐると回してみる。

末端は相手に密着するだけ。

はじめは体を分離しているので。

肩から先は特に動かないはず。

多少は動いてしまっているかもしれないけれど。

ダイレクトに動いているのでなければいいと思う。

適当なタイミングで。

要訣のひとつである沈肩を意識する。

胸郭を分離して動かすために少し浮いている分だけ。

上手くいけば。

沈肩しはじめたところから相手が動かされてくれるはず。

体を使って手で押し始めたから当然。

と思ったりするかもしれないけれど。

実際に体の動きに合わせて。

単に手先で押してやろうとすると。

反対に自分が不安定な状態になってしまうはず。


体の分離ができるようになっていれば。

逆に初めからくっつけていて。

胸郭を回し始めればすぐに伝達は始まる。

こうなってくると。

ばらばらに動けることは外見からはわからない。

でもその状態を内包していることが大事。

そんな自然の理のひとつ。

練習予定:2015年12月13日(日)

Permalink:

愛知の練習予定日です。

日付 2015年12月13日 日曜日 ※曜日に注意ください
時間 10:00~13:00
施設 刈谷市内
場所 多目的室

日付 2015年12月26日 土曜日
時間 10:00~13:00
施設 刈谷市内
場所 多目的室



※見学・体験OK(費用なし)です。
※体験されたい方は運動できる恰好と室内シューズを用意ください。
※事前にメール連絡をお願いします。
※施設の場所はメールをいただいた後に別途連絡いたします。

練習予定:2015年12月12日(土)

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東京の練習予定日です。

日付 2015年12月12日 土曜日
時間 15:00~17:30
施設 文京区総合体育館(本郷三丁目 or 湯島)
場所 武道場2(床)
※練習後は忘年会やります!

※見学・体験OK(費用なし)です。
※体験されたい方は運動できる恰好を用意ください。
※事前にメール連絡をお願いします。

雑記:体をばらばらに動かすことを

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デスクワークや日常生活を続けていると。

偏った姿勢から筋肉や腱は強張っていく。

いわゆる癒着というやつだ。

後は血流の滞りなんかも起こったりする。

特に胴体部(肩甲骨や股関節を含む)は固くなりがち。

基本功の甩手や、套路をこなすことでも。

こういった強張りやコリのようなものは解消できる。

だけれど、昔受けたことのあるシステマのセミナーでは。

さらにダイレクトに。

体の部分を動かすエクササイズを習うことができた。

これがそのインストラクター独自のものなのか。

システマ一般で扱われているのかは知らないけれど。


ここでは胸のエクササイズだけ抽出。

まずは平行立ちになって。

体の他の部分はなるべく動かすことなく。

胸郭だけを前に突き出す。

続いて突き出した胸郭を左に。

後ろに、右に。

そしてまた前に。

動作はこれだけ。

但し、首から上と骨盤から下は固定する。

後、体を拗る(ねじる)ことはしない。

胸郭を左にずらしても正面は向かせたままだ。

はじめはゆっくりはっきりと。

四角形の頂点をなぞるくらいがいい。

慣れてきたら滑らかに円を描くように。


後は、正面からはじまって。

左、後ろ、また正面、右、後ろ、正面。

これを繰り返すと8の字で回ることになる。

Figure Eightとシステマでは呼ばれているかな。


このエクササイズを通すことで。

胸郭を分離して動かす感覚を養うことができる。

それを動かすための内部の筋肉もいっぱい動く。

慣れてない人は意外と体が温かくなったりもすると思う。

中国拳法も。

各拳種で似たような動作もあるだろうし。

敢えて切り出さなくとも練っていくことは可能だろう。

それでも。

時間や空間の都合も人にはあるのだから。

こういったちょっとした動作を覚えておくのは利があると思う。

最近体動かせてないなと思ったら。

ちょっと試してみるのもよいかと思う。

そんな自然の理のひとつ。

雑記:太極拳 玉女穿梭で脚を跳ねる

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脚を動かす練習に慣れながら。

太極拳の玉女穿梭(ぎょくじょせんさ)のはじめの動作に少し取り組む。

右手を前方に押さえながら。

右足を膝から上げて足底で蹴り飛ばしたり。

金的を狙ったりする。

うん、怖い。


ここで必要なのは。

足を上げることと少しでも前方に進み出ること。

足を上げるためには。

上→下への丹田の行って戻る運動が必要になる。

どちらかというと。

尾閭(びろ)の運動を意識した方がわかりよいかもしれない。

身を若干低くするために。

尾閭を沈み込ませる代わりに。

脚を跳ね上げていく。

跳ね上げると言っても。

快速に上げる必要はなくて。

その速さは自由に決められる。


尾閭を動かすことにより。

蓄えられる張りをどう緩めていくか次第だ。

さらには。

脚、膝、足首の張り方、緩め方で。

金的を蹴り上げるのも、足底で踏み抜くのも。

その後の変化も含めて。

自由に移ろうことができる。


これに加えて。

丹田の前後の行って戻る動きが成立すれば。

片足状態でも。

スキップするように。

でもスキップとは異なって。

一歩でも半歩でもそれ未満でも。

ずれるように前に進み出ていくことができる。


脚を跳ね上げることは。

金雞獨立や朝天蹬でも練り上げることができる。

腕も脚も同じように。

少しずつ。

そんな自然の理のひとつ。

雑記:丹田で脚を操るように

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丹田、肚から起こした運動で腕を動かすように。

脚も同じように練習します。

腕は肩甲骨で自由に動き易いのだけれど。

脚はそこまで自由度がなく感じられる。

それでも。

動き、勁力の伝達は同じく起こせるようにできている。

勿論。

腕のように器用には動かないし。

理に適っていない動きを繰り返すと。

その重さ故にすぐに疲れてしまうことも。

でも反対にその重さ故に。

上手く動けたときは、そこで増幅される力もそれに適う。


はじめから複雑なことは難しいので。

まずは単調な動きで確認。

両足を肩幅より少し広いくらいに拡げて立って。

片足をしゃがみ込んだパートナーに両手でしっかり掴んでもらう。

足を抱え込むように握ってもらうといい。

その状態で。

掴まれている足を反対の足に引き寄せようとする。


単純に股を挟もうとしては動かし難く。

上に引き抜いたりしようとしても難しい。

ポイントは二つ。

掴まれた足はひとまず気にせずに。

骨盤を反対の足側に移動させる。

そこから掴まれている方の足に骨盤を振り出しながら。

足を閉じる動作をしてみる。

二つ目のポイントは跨の後に膝、足首へと順に張りを緩めること。

結局は腕を動かすときと同じこと。

行って戻る動きで連鎖を起こしていく。


それでも。

戻る動きと張りを緩めること。

そのどちらも相手を御そうとするイメージと異なるようで。

頭が、神経が、精神が。

その思惑通りに働かせることが難しい。

でもまずは変換し始めることが大事。

今慣れている命令が自然とは限らない。

そんな自然の理のひとつ。

2015年11月21日(土) 練習日誌② 正座

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ひとしきり身体を動かした後に。

少し静かな練習をひとつ。


正座。


正しく座るとあるがこれが結構難しい。

立っていても、坐していても立身中正を守る。

そして守れなければ何かが間違っていることが確認できる。

それは要訣が守れていないときもあれば。

守るべき要訣が間違っていることもあるだろう。

僕たちが試みるに当たって。

よくありがちなのが。

腰辺りの背筋が強張ってしまうこと。

普段の社会生活(デスクワーク)だとかの影響で。

股関節が固まっていることもあるだろうし。

正座というと背筋をぴんと。

というイメージが先行しているのもあるかもしれない。

そのイメージそのものはよいと思うのだけれど。

イメージを投影する方法がまずかったりする。

ひとまずこの強張りを解くために。

鳩尾(みぞおち)辺りは前に残したまま。

お臍をへこまして後ろに引くことを試してみる。

ひよこのように上向いた尾骨が。

ちょいと下に向いてくれるように。

そこから順に上に上に整えていく。

胸、首へと。

整えた後はパートナーに胸を前から押してもらう。

馬歩で前から押してもらってその状態を確かめるように。

姿勢が整っているならば。

前から押されても後ろにコテンと倒れないで維持できる。

そのときの心持ちは。

胸で耐えるのではなくて。

姿勢を保とうとすることだけ。

上手く象れるようになれば。

胸を前から押さえられていても。

座礼で前に傾いていくこともできてしまう。

どんなときでも礼を失してはいけないからね。

なんて。

された方はたまったものではないけれど。

そんな練習の一幕でした。

2015年11月21日(土) 練習日誌① 2本の骨を引き離すように

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いつもの如く、甩手で身体を緩めて練習を開始。

加えて、力の伝達を学ぶために手首の形を整える。

前腕の、と言ってもよいかもしれない。

前腕は尺骨(しゃっこつ)と橈骨(とうこつ)の2本の骨が組み合わさっている。

この2本の骨は抵抗なく回すようにも使えるのだけれど。

今回はこの2本の骨がなるべく離れるように使ってみる。

骨同士が並行なときは単にさらに開くように。

骨同士が交差しているときも交差の頂点がさらに遠くなるように。

もちろん肘と手首が存在するのだから。

極端に分離されるということはないのだけど。

その離そうとする作用が。

腕に張りをもたらしてくれる。

採(さい)と呼ぶべき手の形や。

肘の在り方も整えなくてはならないけれど。

この前腕の張りを整えることで。

身体からピアノ線のように、細い竹が延びるように。

勁力を伝えるための導線を作ってくれる。

そして。

張ったものは緩めることができる。

はじめから緩んでいるわけではなく。

張っていることで緩むことができる状態。

これを活用するのはまたの機会に譲るとして。

まずは張った状態で色々と遊んでみる。

相手に両手で握ってもらって。

肘を動かしたり肩を動かしたり。

前腕で直接作用しようとするのでなくて。

力が伝達する状態に置いたまま。

その他の部分が動くことで。

その動いた力が伝わって、その複雑な伝達に相手も翻弄される。

自分の身体の動きも。

両手で握った相手をどうこうしてやろうとかではなくて。

ただしゃがもうとしてみた後に。

やっぱり横に歩いてみようとしてみたり。

思い思いに動いてみればいい。

握られた片腕が拘束されているとなるか。

握られた片腕が伝達するものとなるか。

試すことで身体が覚えていってくれる。

そんな練習の一幕でした。

2015年11月14日(土) 練習日誌② 八極拳 崩捶のことはじめ

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八極拳は衝捶、欄捶と進めてきたので。

基本の捶法として崩捶に続いて取り組みます。

まずはその前に立身中正から衝捶を打つことを復習。

肚と胸、肩、肘、手首の操作と緩め方を再確認。

衝捶の基本は身体を左右に割る面。

一方、崩推の基本は身体を前後に割る面。

身体の使い方はその方面が異なるだけで同じ発想。

でも方面が変われば趣も変わる。

構造と慣れが全く異なるもので。

衝捶の身体の使い方と同じように。

でも方面は違えて。

胸郭は横目に傾いて。

肚も横に撓(しな)を作る。

膝はスキーのカーブのときのように若干くの字に。

ちょっと見返り美人図のような感じだ。

ここから身体を真っ直ぐ目に戻していく。

衝捶の打ち方と同じように、ここでは肩で伝達を確かめる。

撓垂れたときに相手に肩を押さえてもらって。

各部を緩めて勁力が伝播すれば。

相手は俄かに後ずさる。

何度か試して身体の動きを染み込ませる。


肩からの勁力が働くようになったら。

末端に繋げるためにもうひと工夫。

衝捶や欄捶と異なって。

崩捶は腕が鉛直方向に下がったところからはじまるので。

腕が垂直から横に移動できるように用意する。

手の形の詳しくはまたの機会に譲るとして。

そのイメージは槍で地面を突き刺すよう。

腕に力みではなく撓み(たわみ)と張りを持たせて。

力を抜くことで自然と肘が横に張り出すように構えておく。

身体の撓(しな)の解放と合わせて腕の解放を重ねていく。

上手に身体が繋がれば。

身体も腕も止められず。

触れた相手は跳ね飛ばされることになる。

崩捶も衝捶、欄捶と同じく移動が伴うけれど。

そこの辺りはこれまたまたの機会に。

まずは身体を整えて力みなく断絶なく。

そんな練習の一幕でした。

練習予定:2015年11月21日(土)

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愛知の練習予定日です。

日付 2015年11月21日 土曜日
時間 10:00~13:00
施設 刈谷市内
場所 多目的室


日付 2015年12月13日 日曜日 ※曜日に注意ください
時間 10:00~13:00
施設 刈谷市内
場所 多目的室


※見学・体験OK(費用なし)です。
※体験されたい方は運動できる恰好と室内シューズを用意ください。
※事前にメール連絡をお願いします。
※施設の場所はメールをいただいた後に別途連絡いたします。

2015年11月14日(土) 練習日誌① 末端が弾けるように

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いつも通り甩手(スワイショウ)から練習を開始。

まずは身体の力をなるべく抜いて。

やる気のないように左右にだらだらと腕を振る。

腕に引っ張られて肩や背中も伸びるように。

ある程度だらだらしたら。

背筋を伸ばして身体を立てる。

程よく力が抜けてかつ芯ができると。

左右の腕はまさにでんでん太鼓さながらに身体に巻き当たる。

ここでさらにもうひと工夫。

くるりと回って腕がその回転に乗り始めたら。

腰を反対に切って正面を向き直す。

肚、背、肩、腕の力は抜けているので。

腰(腰椎周り)が差し戻ったとしても。

動きは止めずに振られ続ける。

それでも。

戻る動きで異なる方向性に追加された力と。

若干小さくなった回転半径の作用で。

太鼓を打ちつける力はさらに鋭く力強さを増す。

打たれる胸と背も力を抜いておかないと。

思わぬ衝撃を食らうことになるので注意が必要だ。


勁力としては内勁よりも外身の動きが大きいれけど。

力の伝達を試して遊ぶには十分なので。

パートナーに両手を順手同士で握ってもらって試力してみる。

ただ単に身体を振って動かそうとすると容易に止められる。

腰の切り戻しを入れるとそれが一転。

力の止め方がわからずにパートナーの身体が放り出され始める。

最初は兎に角適当に動くことになるけれど。

色々試して慣れてこれば。

腰を切り戻すタイミングとその量、位置、角度次第で。

相手を色々様々なところかたちに誘えることが理解できてくる。

同じ両手が握られた状態で。

同じ方向に身体を切り回しても。

回転方向の外に、回転方向と反対に、自分の正面に。

相手は成すすべもなく放り出される。


芯はあれども緩みもあるので。

相手への作用はあっても反作用がなく。

一度の切り戻しの後には他の方向への切り出し、切り戻しができる。

それを使って最後にもうひと遊び。

テニスのバックハンドのように振ってからゴルフのスイングのように掬い振る。

こうして遊ぶときには注意が必要。

思いの外その作用は大きいもので。

成された方は気付くと地面がもう間近。

手加減と受身ができる人が組んで遊びましょう。

それでもちょっとどきりとしたので…。

そんな練習の一幕でした。

2015年11月7日(土) 練習日誌② 形意拳 崩拳のことはじめ

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立身中正を整えて。

身体を揺らすところから。

各人の取り組む拳種に合わせて展開していく。

八極拳は衝捶へ。

太極拳は起式へ。

形意拳は崩拳(ほうけん、ぽんけん)へ。


そのためにまずは腕が拳が前方へ進むところを。

身体の前後への揺れも肚から起こる。

その勁力を拳から相手に伝えるために。

まずは肘を後ろに引いて拳をすぐ脇に引き付ける。

蟷螂拳で言えば肋下(ろっか)と呼ばれる肋骨に沿わせて肘を引く動きが近い。

ここではなるべく腕を畳んで。

でも屈筋で前腕と上腕の空間を挟むというよりは。

肘を後ろに引くことで結果その空間が潰れるという感じ。


肩から拳までは固定して。

肚→胸→肩へと伝わった揺れを自然に相手に移らせる。

とても短距離、というか密接した形。

これで相手に力が伝わることを確認したら。

肩→肘の順番で力を抜いていく。

肚からの揺れとタイミングは合わせる必要はあるけれど。

上手くできれば腕が前方に進み出て構えてくれた相手まで到達する。

到達はすれども力みはしないように。

的ができるとどうしてもそこに向かって自発的に手を伸ばそうとしてしまう。

そこの頭を切り替えて。

身体の動きで到達するように調整を掛けていく。

拳がきちんと届くようになったら。

拳が届く頃には、その身体の動きは拳と関係なく揺れが続くように。

次の揺れへの動きが、拳の自然な引きにもつながって。

反作用を伴わない動きにもつながっていく。


前後への揺れの動きは、左右の腕に対して等しい動き。

右を出すのも左を出すのも思いのまま。

肩→肘→手首まで力を抜いていけるとよりよいけれど。

まずは肘までで十分だ。

左右ぐるぐると勁力を循環させて。


並歩での動作に慣れたら。

八極拳の衝捶と同じように一歩踏み出して打ち出すようにしてみる。

足は踏み出しても踏み出した足に乗らないようにして。

おへそを引くようにして動き出し。

真っ直ぐ、真っ直ぐ踏み出して。

衝捶と違って身体を切ることもしない。

その代りに、踏み出した足と打ち出す手は同じくする必要もなく。

自由に左右を打ち出していく。

肩から抜く力のタイミングを変えれば。

一度の踏み出しで左右同時に打ち出しても、ずらして連続で打ち出しても構わない。

その回転力が崩拳の強みのひとつでもある。


ぐるぐる…。
ぐるぐる…。


そんな練習の一幕でした。

練習予定:2015年11月14日(土)

Permalink:

東京の練習予定日です。

日付 2015年11月14日 土曜日
時間 12:30~15:00
施設 江戸川橋体育館(江戸川橋)
場所 柔道場

日付 2015年12月12日 土曜日
時間 15:00~17:30
施設 文京区総合体育館(本郷三丁目 or 湯島)
場所 武道場2(床)

※見学・体験OK(費用なし)です。
※体験されたい方は運動できる恰好を用意ください。
※事前にメール連絡をお願いします。

2015年11月7日(土) 練習日誌① 立身中正を整える

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甩手で身体を一度解しながら緩めながら。

日頃の身体の強張りを軽くリセットして練習を開始。

立身中正を整えるための練習に取り組む。


鬆腰鬆跨(しょうようしょうこ)のために膝を軽く曲げて股関節を緩める。

尾閭中正(びろちゅうせい)のために骨盤を立てて背筋を緩める。

腹筋と背筋を重力方向に伸ばして丹田、肚が使えるように。

含胸抜背(がんきょうばっぱい)は諸説あるのだけれど。

肩は前に出さないようにして背筋が上下に伸びるように努める。

虚領頂勁(きょれいちょうけい)のために頚骨の最上部をさらに上方に引き上げる。


身体の中に一本の筋(すじ)を通すようなイメージだ。

身体の中にしなやかで丈夫で撓(たわ)む細い竹を作り上げていく。

決して鉄の棒を作り上げるのではなく。


上下の張りは強ければそれだけまとまりができるのだけれど。

始めから固執し過ぎると力みにもつながってしまう。

目指すのは中心となる線(ライン)を保ちながらも。

それ以外の余分な力は抜いていくこと。

放鬆(ふぁんそん)を実現しながら芯はあるということ。

その芯による撓みの力が太極拳における弸勁(ほうけい、ポンジン)につながる。


姿勢を作ろうとみな苦心。

普段それぞれが持っている癖は様々なもので。

どこの力を抜いて、どこの力を張るのか。

十人十色ではあるけれど。

それぞれ自分の身体と対話しながら進めていく。


姿勢をある程度整えたところで。

下丹田(臍下丹田)を使って身体を揺らしてみる。

前後に波打つように。

撓みがつながるように。


身体の中心から発生させる勁力を運用して、その後の動きへ展開していく。

純粋無色からお好きな色へと。

そんな練習の一幕でした。

雑記:八極拳 衝捶のことはじめ②

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衝捶のことはじめのつづき

並歩から一歩踏み出して捶が打ち出せるようにしたら。

馬歩への姿勢移行を加えてみる。

ここでの注意点は脚や足で回転を作らないこと。

下盤で操作しようとすると。

勁力の流れが乱れやすくなってしまう。

もしかしたらその混ざりが思いもよらない作用を生み出してくれるかもしれないけれど。

ひとまずその辺りは置いておこう。


衝捶の流れを活かすように。

馬歩への移行をスムーズにさせるために。

胸⇒肩甲骨の動きに少し工夫を入れる。

ただ真っ直ぐにその場で打ったときは。

胸の中心を挟むようにして前後の勁力は釣り合わせていた。

これは意図して釣り合わせていなくても。

真っ直ぐにしていようとすることで自然に釣り合うものだ。

その固定を外してあげる。

前の腕をもっと自由に稼働を拡げてあげる。

その結果。

きちんと立身中正ができて鬆腰鬆跨が果たされていれば。

いっぱいいっぱいに腕が長く使われたことで。

身体は真横になって。

馬歩の形に収まることになる。


拳を先端、突端にして。

身体がそこに隠れるように展開されることから。

打ちながら躱す体捌きにもつながる。

他にも沈身を加えることで威力を増したり。

一歩目で軽身を加えることで移動距離を伸ばしたり。

先に示した拗歩から体を入れ替えたり。

身体で遊ぶ可能性をたくさん秘めた式になっている。

だけれど応用は基本の後。

愉しむために身体を練っていきましょう。

そんな自然の理のひとつ。

練習予定:2015年11月7日(土)

Permalink:

愛知の練習予定日です。

日付 2015年11月7日 土曜日
時間 10:00~13:00
施設 刈谷市内
場所 多目的室


日付 2015年11月21日 土曜日
時間 10:00~13:00
施設 刈谷市内
場所 多目的室


※見学・体験OK(費用なし)です。
※体験されたい方は運動できる恰好と室内シューズを用意ください。
※事前にメール連絡をお願いします。
※施設の場所はメールをいただいた後に別途連絡いたします。

雑記:八極拳 衝捶のことはじめ①

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東京での練習の一幕から。

欄捶に続いて衝捶(しょうすい)にも取り組み。

衝捶は沖捶(ちゅうすい)とも。

打ち終わったときの形をみれば。

欄捶と衝捶はどちらも馬歩、或いは半馬歩であって。

身体に垂直に手が出るか、身体に沿って手が出るかの違いにみえる。

そんな角度も変化するのであって。

それぞれが45度ほど変わるとどちらもどちらとも区別がつかなくなる。

なのでだからしかし。

そこの形が違いでなく。

その運動の起こりと生成過程がそもそも違ったりする。


一度に完成させようとするとまた難しいので。

衝捶も段階的に区切ってみる。

まずはその場で打ち試し。

欄捶と異なって。

並歩の状態から足を前後に開く。

それに合わせるように肚の揺れは前後を基調とする。

動きは後で小さくすればよいのでまずはちょっと大きめに。

揺り戻しで前足と同じ側の腕を打ち出していく。

肩までの動きは異なるものの。

上腕から先の動きは欄捶とそれほど大差はない。

腕や手というのは器用ではあるのだけれど。

その器用さは誤魔化しに使われがちなので。

なるべく工夫せずに丹田からの勁力が通るように整える。


まずは馬歩になることは考えずに。

身体は横に回さずに姿勢はそのままその足その場で繰り返してみる。

余談にはなるのだけれど。

ここまでは順歩でも拗歩(ようほ)でもどちらでも打突できたりする。

実はここまででもなく。

拗歩で打ちながら順歩に切り替えるということもできるのだけれど。

この辺りはまたの機会だ。

閑話休題。

その場での動作に慣れてきたら。

一歩踏み出して打ってみる。

臍下丹田(せいかたんでん)から進み出るようにして。

前足の爪先が床に触れるくらいで搖動。

爪先からの反作用をもらってもよいのだけれど。

その辺りは慣れに合わせて自由に試す。


衝捶のことはじめとしては。

まずはここまでできちんと勁力を生んで伝えられるかが大事。

欄捶と同じように。

移動とセットで打ち出せるようにする。

まずはそこから。

雑記:勁力は伝わりビリヤードの如く

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練習風景からの切り取りをまたひとつ。

青竜出水、欄捶の練習を推し進めて。

力の伝達のことはじめも加えていく。

少しずつ積み重ねるように。

重ねたものの効果を測るためのちょっとした遊び。

キックミットを横にしてひとりが持ち支えて。

キックミットを挟んで二人が向かい合う。

一人はキックミットの面に両手を重ねて足は前後。

衝撃に備えて踏ん張る姿勢。

もう一人は勿論キックミットに捶を放つ。

それぞれ練習した式を用いて。

肚から起こる勁力を繋げて。伝えて。突き立てて。

体重や単なる筋力で打った場合は。

キックミットはその身を萎ませて双方の対立に潰される。

上手く勁力が伝わったときは。

キックミットはあまり変わった様子をみせず。

寧ろ固さを保ったままのようにすらみえて。

踏ん張り役の人だけが。

キックミットから引きはがされて後方に跳ねる。

そんな大げさに吹き飛んだりはしないけれど。

2つ並んだビリヤードの球にきれいに白玉を当て込んだように。

小さいながらも確かに弾ける。

身体を抜けるものがある。

人の身体を頻繁に打つわけにはいかないので。

こうやって遊ぶように試してみるのも時には必要。

そんな感じで勁力は通り抜けるものだから。

間違ってもキックミットを越えた先に。

脇腹とか急所に繋がる部分を置かないように。

遊びにも最低限の注意が必要。

そんな自然の理のひとつ。

雑記:濡れ雑巾を留めるように

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先日の練習の一環。

打撃で力を伝達する練習のひとつ。

はじめから触れた状態で肘や肩周りの力を抜くことはしているけれど。

触れてない状態から始めることのことはじめ。

パートナーに掌をこちらに向けて差し出してもらう。

そこに向けて腕を軽く振るようにして拳をパートナーの掌に到達させる。

そのまま腕を自由落下に任せると。

腕が棒のようにまた振り戻って行って。

相手にも特に何の作用も起こらない。

パートナーの掌に拳が到着したら。

その拳をなるべく保つように。

拳が掌に密着を続けるように。

それがなるべく長い時間続くように身体を操作する。

拳が落下してしまわないように。

肘の力を緩めて拳は同じ位置を保つようにする。

肘が曲がったときに拳が引かれてしまわないように。

軽くお辞儀をするように拳の自分の身を近づける。

それは濡れた雑巾を軽く振って黒板とかにぺちゃりと着けて。

それが落ちないように工夫するのに似てる。

そんな意味のない遊びしたことないかもしれないけれど。

そんなイメージで遊んでみるのも一興だとは思う。

上手く力の伝達が働けば。

拳が落ちる前に、相手に作用が働いて。

バランスを崩して前のめりになったり。

差し出した手が拳の落下に引きずられたり。

膝がかくんと落ちたりもする。

原理や現象は肩に手を置いて肘の力を抜いたときと変わらない。

まだまだほんのことはじめ。

相手を打つのではなくてまずは触れるところから。

そんな自然の理のひとつ。

2015年10月17日(土) 練習日誌② 肩からの落とし

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力を抜くことで起こる運動を伝える練習。

相手の肩に掌をぺたりとくっつけて。

肘の力を抜いたり。

肩甲骨を開いたとこから肩→肘と力を抜いたり。

今回はこれに股関節の抜きも加える。

間違えると膝を曲げて相手にぶら下がるようになってしまう。

なのではじめは兎にも角にも分割して。

股関節の力を抜いてお尻を少しだけ突き出すように。

身体は落ちても肩甲骨は開くだけで元の位置をキープ。

そこから後はその前の練習に倣って。

肩→肘→手首へと緩めの連鎖。

上手にできると相手は為す術なく頭(こうべ)を垂れることに。

もしくはそのまま膝も崩れて床にぺしゃんとなる。

はじめは大げさに動きを分けながら。

その内動きを小さくタイムラグも小さく。


股関節の抜きは体幹の動きになるので。

作用させる側も両手で相手の両肩に触れた状態から。

進めば片手で相手の肩に手を置きながら。

力の抜きと戻しを入れて手の加速も入れる。

ポンっと触れたときに作用させられるとベスト。

傍目にはちょこっと肩にとんっと手を置いただけで。

突然置かれた人が床に突っ伏してしまうかのよう。

突っ伏した人も思いがけない衝撃に声にならない声をあげるのがやっと。


連続で立っている人に作用を及ぼすと。

みな床に腰を下ろしたままぽかんとした表情で見上げることに。

でもこれもそれほど特別な技というほどでもない。

みんなが身に着けられる作法でしかない。

ちょっとした練習は必要ではあるけれど。

互いにみんなが掛けあえるようになると楽しいなと思った。

ただあまり頻繁に鉛直方向の衝撃を加えるのは体にはよろしくないかもしれない…。

受ける側の身体の整えも必要なので。

遊びながら漸進するのが一番。

そんな練習の一幕でした。

2015年10月17日(土) 練習日誌① 甩手

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練習のはじめは甩手(スワイショウ)から。

あまり形は拘らずにまずは左右に体を揺すりながら。

腕、肩、広背筋を特に緩めるように。

だらだら、ぶらぶらと捻じり振っていく。

慣れてきたら体を立てて。

なるべく頭が吊り下げられたように芯だけ整える。

回転半径の小さくなった腕はやや勢いづくことになる。

さらに一作法。

腰を振った後に腕が振られ始めたら。

カウンターを当てるように腰は真ん中に戻してしまう。

回転半径がさらに小さくなることと。

反対へ揺り戻す力が加わったことで。

腕の先端はさらに速度を回して自分の身体に打ちつけられる。

結構な勢いにはじめは驚くほどだ。

打たれる側の身体と、打つ側の腕の具合に注意しながら揺り戻しの感覚を養う。

あまり調子に乗ってやり過ぎるとどちらも損傷しかねないので…。


続いて腕を前後に振る。

こちらは膝と腰を柔らかく使って。

一見すると軽いスクワットのよう。

はじめはどうしても肩の付け根から腕を前後に振るだけになってしまうけれど。

なるべく腰・肚の前後の揺り動かしを起点とするように。

慣れたら同じく腕が振り上げられるときに先に肚の戻しを入れる。


最後は側方への揺らし。

前から見たときに肚がUの字を描くように。

それに合わせて腕も側方にぶらぶら。

見た目はウキウキした感じで楽しそうだ。

こちらも慣れたら腕と肚の動きに逆をつける。

真横への動きから少しずらして腰の回しを入れたり。

ひっくり返したUの動きを入れて∞(横8の字)につなげたり。


これらの動きは中国拳法であれば甩手として。

似たような動きがロシアのシステマでもフィギュアエイト(8の字)として成立している。


はじめは動きをとることで精いっぱいだけれど。

その内、姿勢を整えて小さな弾きだけで指先がちょこっと動くところまで進めていきたい。

そんな練習の一幕でした。

2015年10月10日(土) 練習日誌② 欄捶

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太極拳の青竜出水を取っ掛かりにして。

八極拳の欄捶(らんすい)を整える。

青竜出水は定歩で行うので勁力の伝播に集中できるのだけれど。

欄捶は移動を伴うのでその分焦点が絞りにくい。

だけれど。

八極拳はこの移動と捶法が一体なのも特徴なのだろう。


それでも困難さをちょこっとだけ分割してみる。

まずははじめから一歩進ませたところから。

右拳で打つのであれば。

腰を平らにして前後に足を開いて右足が着地したところ。

青竜出水と同じように左腰が出たところだと想定する。

後は左の跨の緩めを起点として打ち込むだけ。

拳を縦にして、幾分シャープな打ち出しになる感じ。

肚と胸の使い方を間違えると。

ただの回転突きになってしまうので注意。

回転になると遠心力が強く発生する。

強い遠心力はそれを抑え込むために打ち手の力みを誘発する。

力みを備えた腕では勁力は伝播しない。


慣れてきたら移動を加えていく。

欄捶の打ち終わりから、振り返って後ろに打ち込む形。

注意点は重心移動したり足から動いたりしないこと。

腰を輪切りにするような肚の動きを起点として。

足は結果動かされる。

足の着地の反作用で動きが次々に生み出される。

だけれど鬆腰鬆跨(しょうようしょうこ)が十分でなかったら。

はじめは脚の反作用、反力は用いない方がいい。

それは体を浮(ふ)の状態に導くだけになってしまう。

そこにはほどよく繋がって緩んで柔らかな丹田の運動が必要だ。

まずは丁寧に肚→腰→膝→足へと動きを繋げていく。


欄捶は八極拳の基本の捶法のひとつ。

これがきちんと身につくだけでも。

動きの質そのものが大きく変わっていくことになる。


そこに向けての手順ははじめは煩雑に思えるけれど明確だ。

会員さんもそのステップに熱中して練習してました。

自分の身体と対話しながら。

学ぶべきものは外だけじゃなくて。

そんな練習の一幕でした。

練習予定:2015年10月17日(土)

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愛知の練習予定日です。

日付 2015年10月17日 土曜日
時間 10:00~13:00
施設 刈谷市内
場所 多目的室

※見学・体験OK(費用なし)です。
※体験されたい方は運動できる恰好と室内シューズを用意ください。
※事前にメール連絡をお願いします。
※施設の場所はメールをいただいた後に別途連絡いたします。

2015年10月10日(土) 練習日誌① 背折靠~青龍出水

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愛知の練習に倣って青龍出水(せいりゅうしゅすい)を練習。

その前段階として。

肚(はら)-胸-肩甲骨を順番にずらして動かして体を慣らす。

套路の形にはすでに慣れているので。

背折靠(はいせつこう)の終わりの姿勢から始める。

馬歩で右腕を真横に伸ばしている状態。

ここから丹田を起点に、跨と腰を緩めながら右腕を前方に流してくる。

左肚→右肚と揺蕩う(たゆたう)動きによって。

左手は前方を押さえ、右手は自然に後ろに引かれる。

この時点で左腰が前に位置するので。

愛知での練習と同様に左の跨を緩めることで右の拳が打ち出される。

一連の動きは緩みで起こされて切れ目がなく。

独特の抖勁(とうけい)を養う上でも分かりやすい動作になっている。


ここからひとつ遡って背折靠も練習。

こちらもその前の撇身捶(へいしんすい)の終わりの姿勢から。

撇身捶で撓んだ(たわんだ)下肢を緩めることで。

一旦体が左に揺れるように流れる。

右腕の肩と肘を緩めることで。

折れ曲がっていた腕が解放されて右方を示した直後に体正面への揺れが引き起こされる。

そのときには跨と丹田の働きで右方真横に揺れが対抗するように発生して。

右の靠はその背を折るように一瞬体の前方に追い越される。

後は靠→肘→手首→拳と、順に勁力が伝播していく。

全体的に初めはゆっくりと練習する方がいい。

肩から先の関節の前後で自分で力を生んでしまう場合。

それぞれの関節を中心とした遠心力で動きが形成されやすい。

そうすると特に肘に反作用が集中しやすくて。

痛めやすくなるので注意が必要だ。

身体の中心から滑らかにつなげていければ。

速度が上がっても勁力が先端に抜けていくだけで済む。


背折靠の流れが定まると。

青竜出水の始まりも滑らかになる。

知らない人がみたなら。

すべて一連の動作にみえるかもしれない。


勿論。


背折靠はその前の撇身捶の流れが定まることで。

同じく滑らかに、力むことなく入ることができる。

撇身捶はその前の七寸靠(しちすんこう)から。

そしてその前の…前の…前の…。

結局すべては無極式→起式から起こる一波から。

そんな練習の一幕でした。

2015年10月3日(土) 練習日誌②

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体幹の操作はまずはみぞおちで体を上下に分割するところから。

足を肩幅に開いて立ち上がり。

お腹を左に切る。

だけれど胸はなるべく正面のまま。

続いて捩れて張った力を抜く。

腰を切った力は留め置く。

胸がお腹に引っ張られて左に切れる。

まずはこれだけ。

見た目には捻転して力を溜めて上体を振っているような動作。

はじめはそれと変わらなくていい。

パートナーに前に立ってもらって。

自分が相手の両肩を軽く挟んでもらうか、相手に自分の両肩を持ってもらうか。

初学であれば持ってもらう方が簡単だ。

その状態で腹→胸と動かすと、相手が崩されて横に動かされる。

ここの反応は人それぞれだけれど。

腹と胸が分割できたら、肩甲骨も含めて三分割にトライ。

余裕ができたら前半にやった肘の緩めと力の伝達も加えてみる。


太極拳を進めている人はここから青竜出水(せいりゅうしゅすい)へ。

姿勢を中腰に移して。

左腰を自然な位置から前に出して用意。

前に出すための力を緩めることで左腰は自然な位置に戻ってくる。

自然な位置を通り過ぎることで。

腹→肩甲骨→肘→手首の緩めによる連鎖が始まる。

勿論これだけではこの形は完成しない。

だけれどまずは力みや頑張りでない勁力を体感できる。


お試しとして右拳は前に残したまま。

相手に足を前後にして両手を合わせてその拳にあてがってもらう。

自然な緩みの伝達に成功すれば。

体格の小さな女性でも。

体格の優(まさ)る男性を後ずさりさせることができる。

下がった方も下げさせた方も。

どちらも何かの間違いだと思って。

頑張ったときの場合を試して微動だにしないことを確認する。

相も変わらず狐に化かされたように感じる光景。

自然を目指しながらそんな非日常感を味わう。

それもひとつの醍醐味だなと僕は思う。

そんな練習の一幕でした。

練習予定:2015年10月10日(土)

Permalink:

東京の練習予定日です。

日付 2015年10月10日 土曜日
時間 12:00~14:30
施設 文京区総合体育館(本郷三丁目 or 湯島)
場所 スポーツ多目的室B面

※見学・体験OK(費用なし)です。
※体験されたい方は運動できる恰好と室内シューズを用意ください。
※事前にメール連絡をお願いします。

2015年10月3日(土) 練習日誌①

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本日は体験の方が1名混ざっての練習。

先回の復習も兼ねて肘、肩甲骨を緩めることで力を伝える練習から。

相手の肩に手を置いて、緩めることで作用させる。

始めてだとやっぱり指先に力が入ってしまう。

しがみつくように指を立てて引っ張ってしまう動作だ。

頑張るのではなくて自分の身体をコントロールするのが大事。

日頃の習慣に対する切換えができるようになるまでは頭との格闘だ。

まずは肘だけ。

肩甲骨⇒肘の順番。

両手を両肩に掛けて。

片腕を両腕で掴んでもらって。

両腕を両手で掴んでもらって。

前にならえの姿勢の内側から両手を触れて。

手の平を下に向けてもらって下から手の甲を触れて。

最後は相手の首に両手を掛けて。

いわゆる首相撲の形だ。

ここでも練習のためにやり易くするため。

首に掛けた両腕を前方に伸ばすようにして用意しておく。

そこから肩甲骨⇒肘と緩める。

首に掛けた両手は組むことだけで力は入れない。

自由度が低い分上手く行くペアが多かった。

おもむろに互いにお辞儀させられる様はちょっとシュールだったけれど。

力を伝達するための接着も慣れが必要ではある。

腕の操作を練習した後は、体幹の操作に移っていく。

~つづく~

雑記:八卦掌の裹滾鑚掙の循環

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八卦掌の基本練習に裹滾鑚掙という動作がある。

裹…か:包むだとかそんな意味:肘を曲げて体の前をカバーする
滾…こん:転がすだとかそんな意味:肘を外に開く
鑚…さん:突き出すとかそんな意味:指先も肘も伸ばして前を刺す
掙…そう:抜け出すとかそんな意味:※解釈が色々

動きに慣れると推手のように二人練習するところもある。

この動きが八母掌(はちもしょう)の套路にもつながる。

その基礎になる動きだったりする。

動作だけ外からみると割と単純な動きにもみえたりする。

ちょっと煩雑な節の動きではあれども。

慣れればなんてことはない。

人間は器用だ。

だけれど。

この動きを、腕の節運動ではなくて。

身体を使った連節運動だと捉えると状況は一転する。

どうやって体を操作すればこの動きになるのか。

特に掙(そう)の部分はどう繋がるのか。

「解釈は色々」になってしまってるのはいただけないけれど。

僕は語訳の通り腕を引き抜く動きだと解釈してる。

この引き抜く動きの中に、通臂(つうひ)だとか伸筋抜骨(しんきんばっこつ)だとかの"状態"が内包される。

ここに八卦掌の発勁動作の一端が現れる。

この動きが色々な方向に循環させられるように。

体を練っていくのは一種の楽しさでもある。

ちなみに。

掙(そう)には「貯める」という意味もあるらしい。

蓄→制→御→発、循環して続いていく。

そんな自然の理のひとつ。

練習予定:2015年10月3日(土)

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愛知の練習予定日です。

日付 2015年10月3日 土曜日
時間 10:00~13:00
施設 刈谷市内
場所 多目的室

※見学・体験OK(費用なし)です。
※体験されたい方は運動できる恰好と室内シューズを用意ください。
※事前にメール連絡をお願いします。
※施設の場所はメールをいただいた後に別途連絡いたします。

雑記:カマキリは節を持つ昆虫

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練習会と別にして蟷螂拳を練習。

蟷螂拳は蟷螂(かまきり)の動作を元にしたと言われている。

その中でも節の動きを抽出して練習。

ここでの節は肢(あし)ではなくて。

胸部と腹部で分かれるというところ。

人間だと胸部と腹部はイマイチ分割していることが一見わかりにくいのだけれど。

彼らはがっちり分かれている。

外から観察しても節くれだっていることが一目瞭然だ。

腹部は後ろに折れ、胸部は上に反り立つなんてこともする。

ヌンチャクの動きでもそうだけれど。

節のある動きは、それぞれが別々の運動をすることで速さや威力につながる。

また、何より読めない動きに繋がっていく。


蟷螂拳では特に、胸部と腹部を分割したような形や動きが多い。

七星歩だとか捕蝉式もそうだ。

先ほどの蟷螂(かまきり)よろしく、腹部は落下、胸部はかち上げなんて動きができる。

套路の中で自然に体得していくこともできるけれど。

たまには意識して切り出してみるのもいい。

本来は脊椎でもっと分かれる人間の体を2つの部分に分解してしまうのは自由度が落ちるようにも思える。

乱暴に思えるかもしれない。

とはいえ、実際にやってみればわかるのだけれど。

2つの部分をばらばらに作用させることは、意外と難しい。

そんな操作を忘れてしまってるから。

そして。

2つの部分(1つの節)+肩甲骨、肘、手首と、跨、膝、足首なんて。

七つの節を操ろうと思ったら結構なものだ。

実際は両腕、両足だから倍近くになる。

これらを論理立てて動かすのはちょっとハードルが高いけれど。

まずは胴体を二分する、ひとつの節に注目すれば。

他の節も自ずと、まさに連節してくれる。


そんな自然のひとつの理。

2015年9月19日(土) 練習日誌②

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單鞭・単鞭練習の続き

右腕に続いて左腕へ。

こちらも基本的には右腕と動かす原理は同じ。

胸⇒肩甲骨⇒肘へと緩みと運動を伝播させていく。

右腕と違うのはこちらは一往復で射出させるというところ。


また、運動の初めに人差し指辺りを中心に捻じりを入れておく。

こうすることで発勁時にもうひとつ複雑な運動を混ぜ込むことができる。

その発動はあくまで用意して捻じった力を抜くことによる。


左腕の練習もはじめは鞭が順番に動くようにゆっくり確認しながら。

次第にシャープに。

シャープにしたらまたゆっくりと滑らかに。


試すときは相手に両手を合わせて前に差し出してもらう。

ミットとかあればその方がいいだろう。

ゆっくりと体の中心からの動きが相手の差し出した掌に到達すれば。

それほどの衝撃は感じないのに体が後方に崩れていく。


昔僕が単鞭を習ったときは、左手は口元から出すようにと教えてもらった。

その口伝はその通りであって。

身体の中心からの運動がその通りになれば自ずと左手は口元を経由する。

それは無理矢理口元を経由するように動かすのとは少し違う。

形を守るのか、結果、形が守られるのか。

この辺りは少し気にしながら進めていきたい。


さて。左腕の動きを掴んだら。

右と左の動作の合わせこみ。

胸を起点にした動きとして、どこからどちらの動きがはじまるか。

自ずとその順番は定まるのだけれど。

体感として遊ぶようにその連鎖を辿って行く。


左右が整ったら。

腰と跨を付けたし。

付け足しと言うにはその差は大きいのだけれど。

鬆腰鬆跨(しょうようしょうこ)を守ることでその推進力が得られる。

それを合わせこむことで。

胸を起点とした左右の手の勁力が、股関節を起点とした勁力に置き換わる。

ここまで整わせてひとまずの形の完成だ。

分解すると反対に頭のコントロールが難しいかもしれない。


ちなみに単鞭は左右分解しても使えるし。

それぞれは靠(かお)、肘、手首、拳、掌、どこからでも勁力が発揮できる。

鞭による勁力の伝達を理解するのにもとても適した形だと思う。

頭と体に汗を掻いてもらった。

そんな練習の一幕でした。

2015年9月19日(土) 練習日誌①

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残暑が若干響くものの練習し易い気候になってきた。


本日は陳家太極拳から單鞭・単鞭(たんべん)をクローズアップして練習。

愛知でも取り組んでいるように。

力を抜くことで力を伝達させることを中心に据え置く。

単鞭で鞭とされるように。

左右それぞれの腕を鞭のように振るう。

鞭といっても、中国では九節鞭(くせつべん)のように。

節を持っていてもしなやかであれば鞭になる。

腕も肩甲骨、肘、手首とその節々を介して鞭を象る。


套路の単式としてでも完成させることは難しいので。

まずは右腕一本に絞って分解練習。

単鞭で自分の前を掬うようにして抓み手で終わる動きだ。

ここでの動きの起点は胸から。

壇中(だんちゅう)の辺りの緩めからはじめる。

胸⇒肩甲骨⇒肘へと順番、連続に緩めをつなげることで自然と腕が体前面にやってくる。

その頃には胸の緩めによる運動は向きを変えていて。

それに従った肩甲骨⇒肘⇒手首が体の外に弾き出される。

鞭と表されるその象りに合わせて運動のタイミングが決まってくる。


はじめは大げさ気味に体を練り込んで。

動きの意味を掴んで来たら胸の動きを小さく隠していく。

シャープに動くこと、反対にゆったり動くこと。

どちらも意のままに。


はじめて取り組むとその運動のコントロールが難しい。

慣れてしまえばタイムラグも生じず自然な動きに消化されていく。


その作用を試すために、相手に腕を一本突きだしてもらう。

突き出された腕を右手で抓み手の形で握る。

始まりの形は違えども、起こす運動を同じにすれば。

相手は抵抗の仕方が分からない勁力に揺さぶられて大きく体を崩すことになる。

何としてでも動くまいとしてもらってもう一回。

外見では耐えられているように見えても、その内部への作用が効く。

肘⇒手首への緩めで勁力が預けられると、最後は耐え切れずその場にしゃがみ込むことに。



これはまだまだ右腕一本。

少し長くなったので続きは日を変えて。

練習予定:2015年9月19日(土)

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東京の練習予定日です。

日付 2015年9月19日 土曜日
時間 12:30~15:00
施設 文京スポーツセンター(茗荷谷)
場所 多目的室A面

※見学・体験OK(費用なし)です。
※体験されたい方は運動できる恰好と室内シューズを用意ください。
※事前にメール連絡をお願いします。

2015年9月12日(土) 練習日誌

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少しずつ秋が近づいてきて、練習し易くなってきた。


今回の練習は力を抜くことがテーマ。

まずは甩手(スワイショウ)から。

いつもは軸をはっきり立てることに主眼を置くのだけれど。

それを崩してなるべくやる気のないように身体を振るようにする。

振り回された腕に引っ張られて胸や背中が緩むように。

左右に重心も移動してしまってぶんぶん振り回す。

やるほどに遠心力で血液が手先に集まってくる。

ひとしきり回したら手を頭上に挙げて細かく震(ふる)って血液を下げてやる。


ここから脱力による重さの伝播の作用を試していく。

練習相手に手の平を上に手を差し出してもらう。

その上に重ねるように手を置いて。

かくんと肘の力を抜いてやる。

このとき重ねた掌と手首はすぐには脱力しないことが注意点。

上手くできると相手はその重さに引きずられるように床にぺしゃんと崩れ落ちる。

はじめは相手が軽くおじぎするくらいでも上々だ。


上手くいっても所謂反作用で生じる力感というものがない。

まさに狐につままれたような感じ。

20㎝以上の身長差がある男性を女性でも力抜きで崩すことができる。

できても感想が出てこずにはにかんでしまう様がまた面白い。


肘と手首の部分的な作用を試したら。

肩(肩甲骨)も含めて少しレベルアップ。

肩甲骨は力を抜いて重さを使うと言っても、肩を上げたりはしない。

後々の展開を考えて肩甲骨を開くことによってその用意をする。

そしたら肩⇒肘⇒手首と順番に力を抜いていく。

とにかくこの順番を守るためのコントロールが肝要だ。


同じように掌から作用させて崩したり。

肩を組むように相手の首に手を引っかけたところから崩したり。

前に立てて掲げ挙げた腕の手首を掴んでもらったところから崩したり。

遊ぶようにして繰り返しそのコントロールを学ぶ。


功夫は単なる力のトレーニングじゃなくて。

こういった身体の使い方を練っていくことにある。

まだまだことはじめなれど。

法則を守ることで生じる作用を楽しんでいければと思う。

そんな練習の一幕でした。

練習予定:2015年9月12日(土)

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愛知の練習予定日です。

日付 2015年9月12日 土曜日
時間 10:00~13:00
施設 刈谷市内
場所 卓球場

※見学・体験OK(費用なし)です。
※体験されたい方は運動できる恰好と室内シューズを用意ください。
※事前にメール連絡をお願いします。
※施設の場所はメールをいただいた後に別途連絡いたします。

2015年8月22日(土) 練習日誌

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先回よりは若干暑さが和らいだ感じの練習場。

だけれど壊れた扇風機は修繕されず。

機能していた扇風機すらどこかへ持ち去られてしまっていた…。

さすがに何もなくては厳しいので空いている部屋から一台拝借。

気を取り直して練習開始。


今回は先回の熊歩から少し発展させて。

着地姿勢で馬歩になるよう展開。

基本的な注意点は熊歩と同じく。

着地ぎりぎりまでは真っ直ぐな姿勢を保って。

重力に引かれるままに落下せずにできるだけ我慢。

最後の最後に着地する瞬間で馬歩に切換えし。


馬歩に入る場合はもうひとつ注意点を。

それは体の回し方。

回し方と言いながら回さない体の使い方が要求される。

馬歩になったときの後ろ足の股関節を調整して。

前足に当たる股関節から肩までの軌道が最終的に前方を向くようにする。


単に馬歩になろうとすると体を左右に割る中心に軸を取りがち。

そうすると、回転運動になってしまって体のブレを生み出してしまう。

特にぎりぎりまで運動を我慢しての急速な展開になるので。

回転運動を掛けるとそのブレによるエネルギー、勁力の逃げも大きい。


この動きが後で沖捶(ちゅうすい)につながるのだけれど。

腕使いも意識すると厳しいので。

ひとまずは左右に両手を拡げることで手の置きどころを作る。

一気に回転をしていると左右の手は水平方向に振り回される。

展開、旋回をしていれば左右の手は垂直方向に振り”易い”。


練習生のTくんはしきりに「基本難しい」と連呼していた。


基本は極めるのは難しい。

でも基本を極めたらある意味終わり。

だから基本として並べられていたりするものだ。


その後の応用は基本を伴って理解の深さが決まるので。

是非、繰り返し練習していきたい。

そんな練習の一幕でした。

練習予定:2015年8月22日(土)

Permalink:

愛知の練習予定日です。

日付 2015年8月22日 土曜日
時間 10:00~13:00
施設 刈谷市内
場所 卓球場

※見学・体験OK(費用なし)です。
※体験されたい方は運動できる恰好と室内シューズを用意ください。
※事前にメール連絡をお願いします。
※施設の場所はメールをいただいた後に別途連絡いたします。

2015年8月8日(土) 練習日誌

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日中で最も暑い時間帯での練習となってしまった本日。

しかも体育施設に2台しかない扇風機の内の1台が壊れている始末。

あまり運動量の多い練功に取り組むと冗談じゃなく意識を失いかねない。

水分補給をまめに取りつつ練習に取り組む。

先日の八極拳の発勁の話もあり、愛知でもまずは基本に取り組む。

熊歩(ゆうほ、くまあるき)。

まずは準備運動がてら単に左右に歩を進めつつ前に進む。

はじめは足を出す距離を小さく取って。

着地のときに全身を沈み込ませることはせずに。

身体を貫く重力線とそこからの揺れに身を任せる。

着地した足に後ろ足を引き付けて。

そこからひとつ注意点を足す。

前に出した足を着地する直前まで我慢をするということ。

足を出せば重さに偏りが出て体は倒れそうになるのだけれど。

それをなるべく我慢する。

足を踏み出す距離を長くすれば長くするほど、

その我慢の強さと解放したときのエネルギーは大きくなる。

後ろ足が地面から離れなければ基本的にエネルギーは解放されきらない。

熊歩ではなくて後ろ足を引き付けず弓歩になってみる。

我慢、というか張りの維持、ができていれば、

前脚で蹴ることなく元の姿勢に戻れる。

この”蹴ることなく”というのは熊歩で一歩踏み出すときにも重要だ。

前に進むために逆足で地面を踏み蹴ってしまうと体が浮いてしまう。

浮いた体は張りの維持に必要な支えや頼りを失う。

その後に待っているのは落下だけだ。

熊歩で練られる功夫はこれだけではないけれど。

非常に優れた練功だと思う。

そんな練習の一幕でした。

2015年8月1日(土) 練習日誌

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いよいよ夏本番が近付いてきた。

暑さが照りつく外を避けて、本郷にある体育館の室内練習に逃げ込む。

月一回の東京での練習会。

今回は昔なじみの練習仲間も参加してくださった。

一人はひと頃の兄弟子に当たる方。

とても貴重な練習会になった。

まずはHさんに今年に入ってから進めていた八極連環拳の套路を披露してもらう。

そこから指導に入っていただくことに。

時間も豊富にあるわけではないので本質的なところだけ。

そのところズバリ。


八極拳としての発勁がない


なるほど。

致命的だけれど本当のところだから仕方がない。

僕もそこのところをきちんと修められているわけではないので、

僕から手解きを受けるHさんもいわんやといったところだろう。

曰く、

套路としての形はきれいなのだが発勁がないので武術として足りない

とのこと。


蓄(勁)がないから発(勁)がない

力みがあるだけで蓄になっていなくて発も長くて威力が伴わない


ということで、

套路の中身をこまごまというよりも冲捶(ちゅうすい)に限定して蓄発の練習へ。

まずは姿勢を整えることで蓄勁を成す。

力みではなくてたるむのでもなくて緩みと張りを。

そこから地面を蹴らずに起動して最後の瞬間に発勁する。

単式で目標物がないので発勁が最後の瞬間ではあるのだけれど、

蓄勁が成されていれば発勁のタイミングは決まっていない。


黙念師容(もくねんしよう)できるように動作をみせてくださる。

自然体から震脚(しんきゃく)と共に放たれる冲捶。

荘厳な美しさも感じるような一撃だった。

そこからはHさんが後を追いながら繰り返し練習を進める。

中国拳法らしい練習風景が始まった。


今日この日このときの練習はHさんにとってはもちろんのこと、

僕にとっても、そして兄弟子にとってもほんとに貴重な体験となった。

その詳しくはまたの機会に譲るとして。

とにもかくにも拳法を通した縁というのは面白い。

そんな練習の一幕でした。

~神秘と自然への道のりを悠々自適に共に歩こう~ 日本に伝わって、日本で育った中国拳法をベースにして、中国拳法の套路や概念を頼りに道を探求する会です。あくまでも楽しむこと。人生を豊かにする活動でありたい。本質を求めながらもたどり着くことに拘らない。求める過程を楽しんでいきたい。それを目指して、中国拳法の神秘性と実践性、道としての在り様に則って活動します。東京と愛知を中心に練習会を開催しています。

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