理を愉しむ中国武術を目指して <東京功夫 小桜会> Menu

2016年3月19日(土) 練習日誌② 八極拳:末端を振り回すこと

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八極拳の套路練習。

小八極の白鶴亮翅に入る前に。

起式で腕を回すところを切り取って補足。

なるべく末端の動きを最後にすることを意識する。

気を付けの姿勢から。

両肘を横に張り出すときに。

すぐに手首も外に張るのではなくて。

身体の横に拳心が沿うように。

手首を逸らすように一度曲げてやる。

それから外に張り出すように曲げ直す。

最末端である拳は。

一番最後にその動きの方向を変えるようにする。


普段は拳にしてはじめる起式の動きを。

開いて掌にして始めてみる。

開いた手をパートナーに掴んでもらって。

はじめからお腹の前に持っていこうとするときと。

一度手首を逸らせてから持っていこうとするときと。

末端が最後に動くようにすれば。

その動きは止められず。

身体が引き寄せられるように。

簡単に持ち上げられてしまう。


ここから手を返すときは肘主体の動きに。

両の脇腹を。

肋骨を前に沿うように擦って。

肘を移動させながら。

前腕を開いていく。

そこから肘をさらに回し返すようにして。

手首で先導するように。

拳の先端は遅れるように回って行く。

肘や手首の関係性を保とうとすることで。

実は。

体幹の動きが連動することになる。

肘の動きを作るために。

胸郭や肚が動いて。

様々な調整をみせる。

その結果。

末端の拳や手首や前腕には。

体幹が動いたことによる。

大きな力が伝わって。

そこに触れるだけで。

相手は大きく崩れることになる。


お試しとして。

塔手を持って構えた腕に。

下方から腕を回しこんで。

蛇が現れるが如く。

上から軽く巻き押さえてみる。

小八極の起式よろしく。

前手と後ろ手で同時に一本の腕を巻き押さえれば。

全く反作用を感じることなく。

相手は地面に向かってお辞儀せざるを得ない。

不意のできごとに驚いて。

体制を立て直そうとするも。

力の出し方を間違えて。

より地面に近づいてしまったりする。

そんな練習の一幕でした。

2016年3月19日(土) 練習日誌① 支えの外しの応用と工夫

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足の裏のアーチを意識して。

歩法に繋げる練習に取り組む。

前後左右に滑るように移動できるようになると。

その現象が楽しいらしく。

皆それぞれ身体と対話しながら。

より滑らかにやろうとしたり。

より確実にやろうとしたり。

より素早くやろうとしたり。

各々で課題を作って熱中しはじめる。


中には動きそのものを発明するメンバも現れる。

並行立ちで。

左に水平移動しながら。

そのまま左に向いてみたりする。

ただ横に移動するだけでなく。

身体も振ってしまおうというわけだ。

本人は。

左に相手が居る想定で。

そちらに素早く向きながら。

間合いを詰めるという動きを取った模様。

これは動きの応用のひとつで。

それ自体もよい動きなのだけれど。

その他の効果もあるので。

紹介と検証をみせる。


これまた並行立ちで準備。

相手に正面に立ってもらって両腕を握ってもらう。

ここから先ほどの動き。

真横への水平移動と。

移動方向への振りを入れる。

重心の動きに引き摺られながら。

振りによる運動の伝播も加わって。

相手は結構な勢いで吹き飛ばされる。

肘の抜きなど。

ただ真横に移動するよりは複雑になるけれど。

上手く使うことができれば。

掴みかかってきた相手を。

身じろぎしただけで崩すことができるようになる。

こういった応用が発見できるようになると面白い。


それとは反対に。

間違った工夫に進んでしまうこともある。

足の裏のアーチにおいて。

移動方向の支えを外すのだけれど。

その後に発生する。

膝と骨盤の動きを強調してしまって。

そちらの実現を先にしようと発想する。

結果、膝が動くのと。

はじめから膝を動かすのは別のコト。

見た目的には似た動きになるのだけれど。

重心が移動して真横に滑るのと。

膝の振りで真横に飛び出そうとするのは異なる。

こちらも理由を伝えながら。

両腕を握って検証。

支えを外して真横に動くことができれば。

握っている人は一緒に動かされて。

膝の振りを利用しようとすると。

握っている人はその勢いを止めることができる。


だけれども。

間違った工夫。

失敗の結果は。

より理に則った動きのための経験。

楽しみ、愉しみながら。

実験を重ねていくことは。

伝えている側としても意に適っている。

そんな練習の一幕でした。

練習予定:2016年4月2日(土)

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愛知の練習予定日です。

日付 2016年4月2日 土曜日
時間 10:00~13:00
施設 刈谷市内
場所 多目的室

日付 2016年4月16日 土曜日
時間 10:00~13:00
施設 刈谷市内
場所 多目的室


※見学・体験OK(費用なし)です。
※体験されたい方は運動できる恰好と室内シューズを用意ください。
※事前にメール連絡をお願いします。
※施設の場所はメールをいただいた後に別途連絡いたします。

2016年3月12日(土) 練習日誌③ 外してずれて閉門脚へ

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足の裏の支えを外して動けるようになったら。

少し変化系も交えてみる。

右足を前に立ってみて。

右足は小指の支えを外して。

左足は親指の支えを外す。

外された重さは体の背面を抜けるように。

右斜め前に滑り出して。

両の膝がその方向に出ていくことに。

膝抜きとかとも呼ばれる状態。

ここにおいて。

支えるべき点は外されていることで。

足をそちらに動かそうとしたときの。

摩擦も同様に外れている。

それを利用しながら。

両足同時に右斜め前にスライドさせる。

重さが残ってないことでできる芸当。

目の前に立っている人からみたら。

足元が1m分くらいは一瞬でずれる印象。

スキーのターンと考えたら想像つくだろうか。


何にせよ。

先ほどまで右斜め前に居た人が。

気づいたら左斜め前にスライドしている。

そこから閉門脚を放たれたりすれば。

これまた洒落にならない。


脚はスライドした身体が止まった慣性を利用して出され。

止まった反動で再び戻る動きを兼ねている。

本当に一瞬の間に。

攻撃線をずらされて蹴り出され。

次の瞬間にはもう手の届かないところに戻っている。

あっという間のできごと。

そんな練習の一幕でした。

2016年3月12日(土) 練習日誌② 八極拳:白鶴亮翅で首を巻く

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八極拳の套路練習。

小八極から白鶴亮翅(はっかくりょうし)を抜粋。

托塔(たくとう)で右手が顔の前方に立てられたところから。

右前腕を沿うように左手が下から上へ擦り上がる。

ここで左足が折れ上がり。

右足に巻きつくように絡みながら。

左手は抅手(こうしゅ)になって左膝前を掠め行く。

その動きは舞踊のようにしかみえないけれど。


左手をブランコのように行ったり来たりさせるために。

下丹田は右→左→右と3方向へ切り返される。

右→左と肚が動いたときに。

左手は右方に揺られて下から上へ擦り上がり。

左→右と腹が動いたときに。

左手は左方に揺られて上→下→左へ放り出される。


この肚と手の互い違いの動きで。

止められない左手の動きが形作られる。

この左手の動きによって。

相手の首根っこを後ろから掴んで。

自分の後方に崩し投げてしまう。

その途中のついでにおいて。

折れ上がった左膝に相手の頬やこめかみが当たればしめたもの。

いや、洒落になれない。


片足立ちになって打撃を狙いはしなくても。

相手に横から近づいて。

肚から起こした手の動きで。

徐に首を巻いて引き摺り倒すことができる。

これを試すために。

相手に右手で一本突きを放ってもらって。

突きと水平になるように横に避けて。

首に手を巻きつけて倒してみる。

注意しないといけないのは。

左腰が出た時につい手を伸ばしたくなるところ。

左腰を引いて左手を出し。

再び左腰を出しながら左後ろに放り出す。

仕掛ける側は無造作で。

仕掛けられる側は抵抗の意志が沸く間もなく床に捨てられる。


套路としては。

左手の大きな動きに対して。

右手の肘、掌底を使った打撃が隠されている。

首捕りを避けられたら。

暗手とも言える一撃を放てるように。

こちらも地味に確認して。

そんな練習の一幕でした。

2016年3月12日(土) 練習日誌① 点を残すか点を外すか

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練習はじめは姿勢を正すところから。

尾閭中正 ( びろちゅうせい ) と 虚領頂勁 ( きょれいちょうけい ) 。

それぞれ脊椎の末端に対する要訣になるけれど。

ここでは末端の手前に注意を払う。

頸椎と胸椎の交点を後ろに引いて。

お臍の裏に位置する腰椎も後ろに引く。

ここに注意することで身体の重さが集まって落ちる点が。

内踝(うちくるぶし)に向かい。

土踏まずという空間に位置してくれる。

その他利点はたくさんあれども。

今日の練習としてはまずここを強調。


足の裏の3つのアーチで囲まれた空間に。

その重さが集まってくれれば。

後はその支えを外せば体は動ける状態になる。

3つのアーチ。

3つの点。

三角形を描く注目点。

ここで選択できるのは。

点を残すか点を外すかというところ。

これもただの基準でしかないけれど。

小指の支点を残す、小指の支点だけを外す。

親指の支点を残す、親指の支点だけを外す。

踵の支点を残す、踵の支点だけを外す。

全支点を残す、全支点を外す。

これだけでも8通りの選択肢が生まれる。

左右の足を考えれば。

8×8=64通りとも言えなくもない。

配分なんてのもあるだろうから。

もっとも細かく分けられるのだろうけれど。


何を選択するにせよ。

注意するのは残す瞬間、外す瞬間。

残すために重心を支点に移動しないこと。

外すために重心を支点から逃がさないこと。

あくまで土踏まずの空間に。

落ちた重心線を動かさずに。

残したい支点だけを残し。

外したい支点だけを外す。

そうして生まれる動きは。

速やかな重心移動を伴って。

全身にその慣性を纏わせてくれる。


やることが理解できたらば。

並行立ちになってみて。

パートナーに前から両手首を握ってもらって。

せーので支えを外してみる。

踵を残せば前方に。

小指を外せば側方に。

踵を外せば後方に。

支えが外れた瞬間から。

相手も一緒に移動し始めてしまう。

自分は予定通りの方向に。

相手は予期せぬ動きに。

突然の身体の加速についてこられず。

より長い距離を駆けることになってしまう。

そんな練習の一幕でした。

練習予定:2016年3月26日(土)

Permalink:

東京の練習予定日です。

日付 2016年3月26日 土曜日
時間 8:30~11:30
施設 文京区総合体育館(本郷三丁目 or 湯島)
場所 スポーツ多目的室B面

日付 2016年4月9日 土曜日
時間 15:00~17:30
施設 文京区総合体育館(本郷三丁目 or 湯島)
場所 スポーツ多目的室A面

日付 2016年4月23日 土曜日
時間 15:30~18:00
施設 文京区スポーツセンター(茗荷谷)
場所 多目的室A面

※見学・体験OK(費用なし)です。
※体験されたい方は運動できる恰好を用意ください。
※事前にメール連絡をお願いします。

2016年3月5日(土) 練習日誌③ 足のアーチの支えを外す

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蹴らないで進む練習を深めて。

足の裏のアーチ構造の理解を少し。

足の裏は骨が複数組み上がってできている。

細かな構造はさておいて。

ひとつのポイントは。

そのアーチ構造だ。

土踏まずはその現れのひとつとして。

拇指球、小指球、踵の三点の二点ずつを結んで。

足の裏には3つのアーチが存在する。

二次元的に捉えれば。

3本のラインが備わっているということ。

足の内側の拇指と踵のラインは。

反対側の足の支えがあるのでまずは気にせず。

拇指と小指、小指と踵の二本のいずれかを。

接地させないようにして崩してみる。

そんな足の裏の感覚。

例えば相手と前方で四つに組んだ状態で。

拇指と小指のラインを外してみる。

注意点はひとつ。

組んだ手は相手を押さないこと。

鎖骨は下に押し下げて。

身体との密着度は上げておきたいけれど。

手先で相手を押してしまっていると。

末端からの反作用が起こってしまって。

自分で爪先のラインを外すよりも先に。

踵に重心が集まってしまって。

ラインを外しても重心が移動しなくなってしまう。

勿論。

踵も点ではなくて面で捉えることができれば。

ここからも操作はできるのだけれど。

いきなりそれは難しいので。

まずは相手を押さないようにして。

重心が土踏まずの中にあるようにしてから試してみる。

上手く行けば。

ほとんど何かしたのかわからない内に。

支えが外された重心が滑り出して。

四つに組んだ相手を後退せしめてくれる。

こうして。

少しずつ自分の身体を味方につけていく。

そんな練習の一幕でした。

2016年3月5日(土) 練習日誌② 托塔で進み出ながら上方へ

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八極拳の套路練習。

小八極から托塔(たくとう)。

虛步探掌で退がったところから。

一歩前に入って左手で押さえ込み。

ここは。

探掌で出た手の位置は変えずに。

肘を曲げて肩を寄せるようにする。

弓歩になった後に。

姿勢を正すようにして肩を引き。

代わりに肘を緩ませて伸ばして。

掌を地面に向けて倒しこむ。

下方に向けて勁力を流す形。


前に出た左手の甲に。

右の掌を重ねて。

後ろ足を前足に揃えて用意する。

このときも。

両の手の位置は変えずに。

肘を折るようにして肩を寄せていく。


肚を左に切り始めて。

右肩が出て戻るときに。

折り曲げた肘を解放して。

掌底を天に向けて突き上げる。

その動きはそれほど大きくある必要はなく。

相手の顎など揺らせればいい。

肘にもその慣性が掛かっているので。

顎だけでなく、胸に当てこむこともできる。


打撃は打撃として。

もうひとつのポイント。

左に肚を切ることで。

右腰が右前に少し出る。

その腰が引かれる代わりに。

膝から下をスライドさせれば。

両足が揃った状態で。

跳ぶことなく前に進み出ることができる。

間合いを詰めながら上方へ押し上げる。


試しに構えた掌底に交差した両腕を乗せてみて。

それを押し返せるか動いてみる。

単にかちあげようとすれば微動だにせず。

肚を起点に動いてみれば。

身体ごと浮かされて吹き飛ばされる。

そんな練習の一幕でした。

2016年3月5日(土) 練習日誌① あっちこっちと切返し

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体幹から動くことで。

反作用なく相手に作用できるので。

ひとつの作用を与えているときに。

次の作用の動きをはじめることができる。

そんな効用を試すために。

まずは単純な動作を復習。


相手との接触は右腕だけ。

まずは肚を右に切り始めて。

いつもの如く。

肚→胸→肩→肘→手首へと。

順番にずらして戻してを繰り返す。

右腕を相手に両の手で握ってもらい。

簡単に動かせることを確認。


続いては肚を左に切り始めて。

同じように手先までを動かしていく。

身体の内側に向かう時は。

若干肘の稼働範囲が狭いものの。

あまり気にせず。

少しの動きでよいので。

肘が戻るときに手首が動くように仕向ける。

こちらも相手が崩せることを確認。


そうしたらば。

はじめの動きにおいて。

右に切り始めた肚が。

真ん中に戻ってきたら。

そのまま左に切り始めてまた戻す。

胸も肩も肘も手首も。

一旦右方に進んだ後に左方に切り返される。


一度目の作用で思わぬ勢いをもらった相手は。

それに頑張って対抗しようと前足で踏ん張るものの。

すぐさま反対の作用を受けることで。

自分で踏ん張った勢いが加味されて。

とてもその場に留まることが許されない。

左への切り返しのときに。

体を開いて角度をつけて。

少し沈身を掛けたりすれば。

さらにその身は保ち難く。

床を転がったり地面にひれ伏したりしてしまう。

柔道で言えば隅落としだったり。

少林寺拳法で言えば送り小手だったり。

そういった技に似る結果になるけれども。

それぞれ趣があってのことなので。

それぞれの原理はそれぞれにあるはずだ。

それはさておき。

動く自分はただただ踏ん張るところもなく。

掛けられる相手は軽い悲鳴と共に大きく動かされる。

そんな練習の一幕でした。

練習予定:2016年3月19日(土)

Permalink:

愛知の練習予定日です。

日付 2016年3月19日 土曜日
時間 13:00~16:00 ※いつもと時間が違うので注意ください
施設 刈谷市内
場所 多目的室

日付 2016年4月2日 土曜日
時間 10:00~13:00
施設 刈谷市内
場所 多目的室

日付 2016年4月16日 土曜日
時間 10:00~13:00
施設 刈谷市内
場所 多目的室


※見学・体験OK(費用なし)です。
※体験されたい方は運動できる恰好と室内シューズを用意ください。
※事前にメール連絡をお願いします。
※施設の場所はメールをいただいた後に別途連絡いたします。

2016年2月27日(土) 練習日誌③ 形意拳:鶏が羽ばたき威嚇する

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套路練習。

形意拳は鶏形(ちーしん)に取り組み始め。

起式が独特で。

左右に羽ばたくが如く両の手を振り分ける。

膝を抜くように身を低くして。

膝→肚→胸→肩へと段違いのいつもの動作。

この振りに合わせて。

指先が最後に動くように。

両肘、両手首が同じ方向に誘導される。

下段の左→右と羽ばたいたら。

少し小さく中段も左→右へと羽ばたき。

臍(へそ)を引いて顎を引いて。

中丹田を後ろ上へ突き上げつつ。

両の手を揃えて天に突き上げる。

その様は。

相手を威嚇するために鶏が身体を大きくみせるよう。

それは虚勢かもしれないけれど…。

それから。

中丹田を元に戻しつつ。

一気に内臓を肚に収めつつ。

両手を肩→肘→手首の順に肚前に落とし込む。

文化は異なるものの。

日本刀で縦一直線に斬り下ろすが如くだ。


鶏形で最も大事なところとも言える。

起式のはじめの部分。

左右の螺旋と上下の鞭。

ここだけを繰り返し覚えるだけで。

複雑な技法は霞んでしまうほど。

身体が慣れるまでは大変だけれど。

それだけ取組みがいのある套路でもある。

先へ進むのは押さえつつ。

まずは左、右、上、下を繰り返す。

勢い余ってこけーっとまでは言わなくてもいいのだけれど。

思いだけは受け取っておこう。

そんな練習の一幕でした。

2016年2月27日(土) 練習日誌② もたれず蹴らず歩み出る

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両手を前に差し出して。

手を四つに組んで向かい合う。

両者五分五分の体勢。

ここから前に歩み出る。

身体を相手にもたれ掛けてしまうと。

相手はその重さを簡単に受け止める。

正しくは。

動こうとする。

その前に止められてしまっている。

後ろ足で蹴り出そうとしても。

同じこと。

膝の曲げ伸ばしは。

直接重さを動かすことはしない。

床からの反作用で。

動かそうとするだけで。

体の動きを止められてしまう。

組んだ手で押そうとすると。

反作用に自分が耐えなくてはならない。

使えるのは。

ただただ前に進むこと。

純粋に。

前足から荷重を抜いて。

前足の爪先で止めていた。

自分が倒れないようにしていた力を。

抜いて。

身体を前に進め始めること。

重心が前に進み始めれば。

その慣性が伝達して。

相手は後退する他ない。

同じ慣性で対抗しない限りにおいてだけれど。

ただ。

相手と衝突している姿勢において。

純粋に荷重を抜くのが難しい。

ここはまずは頭と格闘。

余計なことをしたくなるのを我慢して。

自分の身体と対話しながら。

えいっとばかりに前脚をコントロールする。

上手くできたときは。

20kg以上の差がある相手も。

何の手ごたえもなく後退せしめている。

そんな練習の一幕でした。

2016年2月27日(土) 練習日誌① 体幹の動きを両手に伝える

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肚(はら)で起こした動きから。

肚→胸→肩→肘→手首へと。

肚を左に動かしはじめたら。

それぞれ順番に。

左→右と戻るときに。

その次のパーツが進み始める。

右腕を折り曲げて。

胸の高さに構えていれば。

これがそのまま突きとして押し出す形に。

構えた腕を。

相手に両手で掴んで止めてもらっていても。

順番を守って動かすことができれば。

その腕を止められないばかりか。

身体ごと動かされてぴょんと一跳びしてしまうほど。


ここからさらに。

左腕も折り曲げて構えてみる。

右腕は身体の右側の宙に浮いていて。

左腕は右腕の上に重なるように。

肘が左肩よりも身体の中央に位置するようにする。

体幹の動き方は同じくして。

突き込むような形の右腕とは異なり。

障子を開けるように。

左腕は肩→肘→手首へと。

その先端がスライドしていくように移りゆく。

同じ体幹の動きでも。

内に向かう右腕と。

外に向かう左腕と。

進む方向は同じなれど。

表現する”側”は異なる動き。


その効果を測るべく。

パートナーに弓歩で立ってもらう。

その真横に。

天井から見下ろしたときに垂直同士になるよう立って。

左腕は相手の右肩を掴んだ形。

右腕は軽く掌で胸にあてがって。

肚から動きを伝えると。

足を前後にしているにも関わらず。

ぽいっとばかりに。

その身体は後退させられて投げ出されてしまう。

思わず。

後ろの壁に衝突してしまいそうになって。

慌てる場面もありつつ。

体幹の動きを両手に伝えて操ってみる。

そんな練習の一幕でした。

練習予定:2016年3月12日(土)

Permalink:

東京の練習予定日です。

日付 2016年3月12日 土曜日
時間 12:00~14:30
施設 文京区総合体育館(本郷三丁目 or 湯島)
場所 スポーツ多目的室B面

日付 2016年3月26日 土曜日
時間 8:30~11:30
施設 文京区総合体育館(本郷三丁目 or 湯島)
場所 スポーツ多目的室B面

※見学・体験OK(費用なし)です。
※体験されたい方は運動できる恰好を用意ください。
※事前にメール連絡をお願いします。

2016年2月17日(水) 練習日誌③ 慣性は止まってみえるも留まっていたりすること

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套路も含めて動き終わりの注意。

それは。

動きをきれいに結ぶこと。

ある方向に動いていたらば。

それをぶらさずにすっと止まる。

人体は。

流体の趣も備えているもので。

外見は止まっているようにみえても。

中身の慣性は留まっていたりする。

この慣性を流れとして。

流れをまとめて留めおくことが大事。

動きの結びがぶれたりすると。

それらの慣性は散ってしまって。

ただの重力に抗しているだけの状態になる。

後は落ちたいだけだ。

だからして。

太極拳の攬扎衣とかで。

右手を右方に向かわせて留めおけば。

外見は止まった後に。

その手を押しても勢だとか勁力だとかの働きで。

容易に押すこと能わずとなる。

極まった形から上下に少しだけ振ってみれば。

そのまとまりが解かれて。

軽く押し崩されることがわかるはず。

同じように。

蹴らず、踏まず、落ちず。

前に進み出ることができれば。

その身はその方向に慣性を纏うことができ。

その流れを活かして脚を振って相手に絡ませれば。

その作用で簡単に彼は崩されることになる。

起こりも巡りも結びも大事なれど。

慣性をその理に据えることはひとつのヒントになると思う。

そんな自然の理のひとつ。

2016年2月17日(水) 練習日誌② 引かれたときも他を動かす

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押されたときの接触部位以外を動かす練習から。

引かれたときも同様に。

ただしただし。

押されたときと異なるのは。

引かれる側のその意識。

それは。

引かれると伸びるということ。

例えば。

手首を持って引かれると。

腕全体は引き伸ばされてしまう。

そうすると。

糸が伸びきったように感じて。

肘の力を外すことができないように思えてしまう。

そうすると。

肘を動かすのではなくて。

肩までの力を抜いて。

両の足で踏ん張ってみようとしてしまう。

実は。

腕が伸びきってしまっても。

肘の関節は動かせたりする。

関節の外しに合わせて自分が近づいてもいい。

そうすることで。

鎖骨の外しも伴うことになって。

より効果的に相手を崩すことができる。


この注意点を理解しつつ。


彼に一本背負いに入ってもらって。

肘を外す。


彼に両手で盆の窪を押さえて膝蹴りに入ってもらって。

胸を外す。


勿論。

それぞれの仕掛け技は。

それを掛ける練習を積んでいるわけではないので。

ちょこっとの勢いしかないものの。

まともに待ち受けているときと。

仕掛ける側にも違いが出ることがわかる。

力が入らないということが。

暖簾(のれん)に腕押しという感覚が。

相手の抵抗を前提に成立しているということが。

体感できたりする。

細かい理屈はさておいて。

力が腑抜けてしまう体験そのものもまた愉しい。

外している側はきょとんとして。

外された側も苦笑う。

そんな練習の一幕でした。

2016年2月17日(水) 練習日誌① 接触されていないところを動かす

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定例練習の期間が空いてしまうこともあって。

中継ぎに軽い練習会を開催。

まずは立身中正を目指して姿勢の修正から。

それから体幹をぶらして動く練習を少し。

跨と肚と胸と肩を波打つようにずらして動かす。

部分部分を動かしてみたらば。

2人一組になって対人練習に。

我は軽く腰を落としてただ立ち居る。

彼に身体のどこか好きなところを押してもらう。

ここにおいて。

押されたところからより体幹に近いところ。

体幹でもより丹田に近いところ。

丹田ならより中心に近いところを。

立つために固定しているその力を外す。

手首を押された肘を。

肩を押されたら胸を。

胸を押されたら肚や跨を。

そんな具合。

決して。

押されたところを抜いて吸収しようとしたり。

押されたところで頑張って抵抗しようとしたり。

接触されたところを中心にしないこと。

上手く動かすことができたらば。

部位を動かした力は末端に向かって。

さらに彼に流れ行き。

彼の押した力は抜き流されて我に来ず。

こちらはあまり作用を受けずに。

あちらは複雑な作用で崩れてしまう。

力を抜くことと。

固定していた力を外すこと。

この違いを知るための練習。

そして。

体躯の大小を無効化していく練習。

体重では10kg以上差がある男性が。

女性を押し出そうとしても。

押し切れずにその場で一人相撲を取ってしまう。

そんな練習の一幕でした。

~神秘と自然への道のりを悠々自適に共に歩こう~ 日本に伝わって、日本で育った中国拳法をベースにして、中国拳法の套路や概念を頼りに道を探求する会です。あくまでも楽しむこと。人生を豊かにする活動でありたい。本質を求めながらもたどり着くことに拘らない。求める過程を楽しんでいきたい。それを目指して、中国拳法の神秘性と実践性、道としての在り様に則って活動します。東京と愛知を中心に練習会を開催しています。

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