理を愉しむ中国武術を目指して <東京功夫 小桜会> Menu

2016年4月16日(土) 練習日誌③ 投球フォームで抜きの連鎖を試してみる

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関節の支えを外していく練習の。

お遊びで。

投球フォームで試してみる。

やり方は簡単。

野球でピッチャーが球を投げるときのように。

足を大きく踏み出して。

腕が自分の背中側に来ている状態。

この腕をパートナーに握ってもらって。

軽く踏ん張ってもらう。

狙いはこのパートナーを球の如く放り投げること。


まずは普通に球を投げるイメージで。

投げようとしてみる。

あまり本気でやると。

ほんとに肩を痛めるのでご注意を。

勿論。

普通にやると全く相手は動かない。


続いて関節を抜いていく練習。

右利きで投げるものとして。

まずは右の股関節の支えを外して左足を開く。

そしたら脇の力を緩めて脊椎をいくつか左にずらす。

このとき肩を支える力を緩めておくと。

伸張反射が起こるので。

それに逆らわずに肩の支えを外す。

後はいつもの通り。

肘の支えを外してみると。

パートナーは次々起こる慣性の連鎖で。

球の如くとは言わないものの。

投手の前方に投げ出されていく。


上手くいかないときは。

無理にチャレンジすることなかれ。

肩を壊すと日常生活にも支障が出てしまうので。

ほどほどで遊んでみましょう。

そんな練習の一幕でした。

2016年4月16日(土) 練習日誌② 雙抱肘と脊椎の一致

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八極拳の套路練習。

小八極から雙抱肘を少し切り出して。

雙抱肘から雙栽捶は。

身体の使い方がなかなか分かりにくくて。

はじめてやってみると。

手と体の動きが把握できなくて。

真似ることすら戸惑ってしまう。

ので。

一旦腕の動きは置いておいて。

身体の動きだけ切り出してみる。

特に脊椎の動き。


馬歩の状態から。

軽く肚を出してからすぐに引き。

代わりに胸を前に突き出す。

転じて胸を引く。

ここまでが雙抱肘。

そこから引いた胸を鉛直方向に下げて。

胸が引かれたときに肚が少し前に出ているので。

胸の下げに続いて肚に引きが伝播して。

立身中正の状態に戻る。


脊椎の動きだと。

尾てい骨辺りを下から握って。

身体の前面に向かって。

ロープや鞭を弾く感じ。

前に振った力が胸に到達するように。

肚を引いて波を伝える。

後は重力を利用して返ってくる形。


雙抱肘は。

上部に向かって放たれた波に。

その腕が逆らわないように。

肩と肘の関節を緩めていけば。

自然と体の前面を緩やかな弧を描いて。

肘が横に張り出される形になる。


この動きが覚えられれば。

自分の腕が下に垂れ下がっていても。

肚を軽くみじろぎするだけで。

自分の前面を下からブラインドを上げるように。

カバーすることもできる。


この応用で。

前面から放たれた捶を。

雙抱肘の前腕で逸らしながら。

雙栽捶で返してみる。

前腕で受けることができたときに。

焦って手打ちにならないようにする。

腰を捻るパンチにもしない。

脊椎を軽く下げて肩甲骨を寄せて。

短く衝撃のある捶を打つ。


雙としての動きが慣れたら。

時間差で腕を操ったり。

肘→捶の連続動作や捶の段を変えた動作など。

意外と応用が効かせられる。

その辺りはまた今後の愉しみとして。

焦らずひとつの動きとして学んでいく。

そんな練習の一幕でした。

2016年4月16日(土) 練習日誌① 撓みながら逆らわない

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張ることと緩めることを体現するために。

站椿(たんとう)でその身持ちを練習する。

高い馬歩を作って。

両手はボールを抱えるように。

手は肩の高さ。

手首が肘と指先よりも高くなるように。


強張るのではないけれど。

筋に張りができるように。

それぞれの関節の間を少し空くよう意識する。

関節そのものは。

固定せずに緩やかに。

上中下丹田と指先足先にと。

ゴム線を張るような感じ。


その状態で。


パートナーに色々な場所を色々な方向に押してもらう。

両手を狭めるように。

両手を拡げるように。

片手を潰すように。

身体を回すように。

腰を曲げるように。

足を開くように。

胸を下げるように。


それらに対して。

特別に力みを入れることなく維持する。

関節が可動するだけずらしていく。

かといって関節を緩めはせず。

力んで関節を固定すると。

その反作用で体が崩れて押し出されてしまう。

緩んで関節を抜くと。

形が潰れてより中心を押し込まれてしまう。

それらの間。

中庸を保って。


右前腕を外から内に押されたら。

軽く肘関節は曲がって。

ある程度曲がったら肩関節が曲がって。

ある程度曲がったら脊椎の各関節が曲がる。

その結果。

押し込まれ続けている間は。

左向きに回ってしまってもいい。

圧力がなくなったら。

解き放たれたように元の位置に戻る。

慣性が働いているので。

一度右方向に余分に回って。

左右に振れながら真ん中に戻るくらい。


撓んだ身持ちは。

その中心を特に決めることなく。

風に揺られるが如く。

その節々をなだらかに変えていく。


はじめはその具合がわからないので。

四苦八苦しながら押し合いへし合いしてみる。

外からの圧力に反射せずに。

ただただ体の自然な反応に任せるのが大事。

そんな練習の一幕でした。

練習予定:2016年5月8日(日)

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愛知の練習予定日です。

日付 2016年5月8日 日曜日 ※曜日に注意
時間 10:00~13:00
施設 刈谷市内
場所 多目的室

日付 2016年5月22日 日曜日 ※曜日に注意
時間 10:00~13:00
施設 刈谷市内
場所 卓球場

※見学・体験OK(費用なし)です。
※体験されたい方は運動できる恰好と室内シューズを用意ください。
※事前にメール連絡をお願いします。
※施設の場所はメールをいただいた後に別途連絡いたします。

2016年4月9日(土) 練習日誌③ 身体を崩して形をつくる

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身体の動作をつくるときに。

なるべく連なった動きを実現したい。

最後が同じような形になるとしても。

軸をつくって切り返しての動きだと。

ひとつひとつの所作は切れてしまう。


白猿桃偸(はくえんとうとう)の。

はじめの一式で崩れた動きを練習してみる。

相手に対して横向きに立って。

左足を斜めに一歩。

右足を入環式(にゅうかんしき)に寄せて。

左手は顔から右肩に掛けてカバーしながら。

右手を丁手にして手首で相手の内膝か急所を打つ。


同じ動きでも。

右足で蹴りだしながら左足で踏み。

左足を軸にして身体を回転させて。

遠心力を利用して右手で打つこともできる。


また。

踵と左斜め前の子球の支えを外して進み出ながら。

左の股関節→胸郭と緩め。

肩の搖動に従いながら腕の力を順番に緩めることで。

ひとつの挙動、所作の中で打つこともできる。


それぞれで全く効果が違って。

よく効かせることができれば。

相手は大きな打撃との対決というよりは。

わけがわからない中で。

膝が、腰が、上体が。

不意に支えを失ったように崩れてしまう。


その崩れを何とか持ち直しもらって。

さらに二式目も練習。

同じように崩して立て直して捶と膝を放つ。

だけれども。

合わせ稽古だとしても。

一式目を耐えること自体が困難なので。

木人役はとても辛い。

一式目は躱す方がいいかもしれない…。

なんて練習が終わってから思った。

そんな練習の一幕でした。

2016年4月9日(土) 練習日誌② 小八極:雙抱肘~雙栽捶

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八極拳の套路練習。

小八極から雙抱肘(そうほうちゅう)と雙栽捶(そうさいすい)

搋捶から虛步提膝→頂心肘と進めたところから。

肩甲骨を背に寄せて。

両の掌が天地に向いている。

左の上腕の力を緩めることで。

頂心肘で極めた形を崩して。

自然に左右対称の形に誘導する。

両の手は。

ここから一度下方に落として。

また引き上げられるのだけれど。

主となる動きは。

どちらかというと体幹。

脊椎の波運動になる。

お臍を引いて胸郭を前に出し。

続いて胸郭を引いたところで。

肘が自然と左右に張られて胸前に引き込まれる。

含胸抜背(がんきょうばっぱい)の形だ。

胸郭につながる脊椎を下方に引き落として。

それに両の肩甲骨が引き込まれることで。

両腕の捶が斜め下方に差し込まれる。


沈墜するときの動作に捶を合わせるよりも。

沈墜したときの肩甲骨からの肩の搖動で。

捶が放たれるようにする。

頂心肘や搋捶で十字勁を左右に発揮させていたところを。

身体の前面に展開することができる。

素直に左右に展開してやれば。

打開の形にもなる。

慣れれば。

ただ歩いて近づくだけの動きの中で。

同じ勁の形を取ることができる。


だけれど。

はじめはなるべくゆっくり丁寧に。

その身体の動きを馴染ませた方がいい。

調子に乗って。

震脚とばかりに落下の力に身を任せて。

激しく繰り返していると。

衝撃が頭に抜けて揺らして危ないことになる。

激しさ素早さよりも。

丁寧さが大事だ。

そんな練習の一幕でした。

2016年4月9日(土) 練習日誌① 一度張ってから緩め直す

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相手と接しているところは張りを持たせ。

その他のところを緩める練習。

慣れない内はどうしても。

狙った筋肉を緩めるということが難しい。

例えば腕を上方に向かわせたい場合。

前鋸筋(ぜんきょきん)の辺りを緩めたりする。

のだけれど。

腕を挙げているときに。

ここの力をはじめから抜いていることもできて。

そうすると。

緩めることで腕を上方に向かわせることができない。

その状態は。

一見脱力できているようにも思えるのだけれど。

自然な張りすらなくなってしまった状態。

滞った状態と変わりない。


必要な張りを思い出すために。

反対の動作を強制してみる。

それをもって矯正してみる。


腕を上方に向かわせたいのであれば。

掌を自分に向けて。

肘を曲げて横に張り出しておく。

相手がいれば下からその腕を支えてもらって。

相手がいなければ。

手首辺りを反対の手で支え上げてやる。

その状態で。

手が自分の肚につくように。

弧を描きながら回し下げるよう力を入れる。

勿論。

それを妨げる力を出してもらってるので。

腕が下がることはない。

し、下げるほど頑張る必要もない。

兎にも角にも。

そこで出している力が。

ここで緩めたい部分の出している力になる。

それを感じたらば。

それを止めてあげれば。

下に向かおうとしていた力がなくなることで。

腕は自然と上方に向かってくれる。


緊張を解く方法だったりもするけれど。

動くために緩める場所を確認するのにも役立つ。

色んな方向に圧力を掛けてみて。

それに抗しているのはどこなのかを知る。

まずは知るところから始めなければならない。

そんな練習の一幕でした。

練習予定:2016年4月23日(土)

Permalink:

東京の練習予定日です。

日付 2016年4月23日 土曜日
時間 15:30~18:00
施設 文京区スポーツセンター(茗荷谷)
場所 多目的室A面

日付 2016年5月21日 土曜日
時間 15:00~17:30
施設 文京区スポーツセンター(茗荷谷)
場所 多目的室A面

※見学・体験OK(費用なし)です。
※体験されたい方は運動できる恰好を用意ください。
※事前にメール連絡をお願いします。

2016年4月2日(土) 練習日誌③ 諦めるところと諦めないところ

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太極拳の單鞭の練習の流れから。

化勁に絞って要素練習。

条件設定は。

自分は右腕を丸くして前に出す。

上着を腕に掛けてるような感じ。

相手は足を前後に拡げて。

水平に出ている前腕に向かって。

両手を添えて前に押し切ろうとしてくる。

普通に挑めば。

並行立ち状態では。

簡単に後退させられ続けてしまう。


ということで。

丸く前に出した腕の張りは変えずに。

楯の部分は諦めずに。

それ以外のどこかを諦めてみる。

例えば。

前腕さえ諦めなければ。

上腕の支えは諦めていい。

接しているところは確かなのに。

その地盤が緩むと。

案外押す力はまとまらないものだ。


後退自体はさせられてしまっても構わない。

自ら後退するのではなく。

後退させられながら。

肩の付け根だとか。

肘だとか。

三角筋だとか。

いくつかの部分を。

ふっと諦めて抜いてみる。

相手は自ら押している方向性が変わって。

反作用の出し方がわからなくなって。

敢えなく地面にひれ伏したり。

明後日の方向にずれ跳んだりする。


ただの押し引きの駆け引きと思うことなかれ。

試しに。

相手の押しに合わせて。

ただ単に。

前手の力を抜いてみれば。

楯が壊されて本体が撃破されることがわかる。


一度張って囮にして。

一瞬で抜いて引き崩そうとしても。

反作用の消失は感知できて。

すぐに押すのを止められてしまうだけ。


諦めるところと諦めないところ。

これもひとつの陰と陽。


押してる方は首を傾げながら失笑して。

化する方もその不思議さに頬が緩む。

そんな練習の一幕でした。

2016年4月2日(土) 練習日誌② 太極拳:単鞭の化勁を丁寧に

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太極拳の套路練習。

簡易式から單鞭。

抱虎歸山が終わったところから。

上下に整った体勢を。

緩めることで崩し動く。

右手の抅手までは肚で起こした慣性で。

体幹から順に緩めを連鎖させる。

今回はそこから先に集中。

左足を踏み出して。

一度左方に重心移動。

ここから一度に左手を打ち出さず。

左足で軽くブレーキを掛けて。

その慣性を受けて右肚を緩ませる。

そこから再び左に向けて。

順番に左手の手刀を緩め出す。

左手は口元から出ていくのだけれど。

上からみたときは。

小さな弧を描いて出ていくのがいい。


この辺りは。

一度に前に行かずに遠回りしているようにみえるけれど。

化勁の動作として大事なところ。

套路だけだとわかりにくいので。

対人練習で少し確認。

相手の捶を右手で巻き受けて流し。

左足を相手の裏に踏み出す。

このまま靠でもって打する。

相手がまだ踏ん張るか後ろ手で押さえたところから。

靠と左腕の張りは変えずに。

肚の右脇を緩める。

そこから後は套路の通り。

相手に面した部分の張りを緩めなければ。

相手の押し返しは自分の他の部分の緩めに乗って。

その慣性は方向を変えて。

別の角度から相手に返って行く。


拘束された前手と相まって。

身体に絡みつくように崩された体勢に。

下方への落とし込みが入ればお仕舞い。

弸履擠按を守った化勁動作を実現できる。

何度か地面に転がりながら。

試す方も転がされる方も力感のない。

渾然とした流れを感じてみる。

そんな練習の一幕でした。

2016年4月2日(土) 練習日誌① 形意拳:鶏行歩で米を食す

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形意拳の套路練習。

十二形拳から鶏形。

起式を終えて三体式に構えたところから。

後ろ足では蹴らずに。

前足の拇指球と小指球の支えを外して。

前に進み出る。

そのまま後ろ足を前足の横に揃えて。

爪先立ちに。

再び前足だった足の支えを外して。

前に進み出る。

今度は後ろ足だった足を前に出して。

反対の足をまた追いつかせて横に揃える。

これを繰り返して歩くのが鶏行歩。

身体を回すことなく。

腰を切ることなく。

並行に進み続ける。


足を揃えたときに。

爪先立ちになる側の腕が振り出されて。

肋骨下に差し込む掌法と。

引き手と入れ違いに突きこむ捶法を繰り返す。

鶏が米を啄ばむように。

足が揃って不安定な姿勢に見えても。

蹴らずに落ちずに進み出られれば。

その重心の移動と。

急停止の連続で。

前から止めようとしても。

その歩みを止めるのは非常に困難。

横からみると。

移動に伴う加減速は。

正に鶏のそれに似る。

金鶏食米。


この部分だけを切り取って。

場内を行ったり来たり。

そんな練習の一幕でした。

練習予定:2016年4月16日(土)

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愛知の練習予定日です。

日付 2016年4月16日 土曜日
時間 10:00~13:00
施設 刈谷市内
場所 多目的室

日付 2016年5月8日 日曜日 ※曜日に注意
時間 10:00~13:00
施設 刈谷市内
場所 多目的室


※見学・体験OK(費用なし)です。
※体験されたい方は運動できる恰好と室内シューズを用意ください。
※事前にメール連絡をお願いします。
※施設の場所はメールをいただいた後に別途連絡いたします。

2016年3月26日(土) 練習日誌③ 蹴り出すことと外しずれること

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支えを外して動くこと。

ただ横に捌くことに使ってみる。

左足前の半身に構えた状態で。

相手が腹を刃物で突いてくることを想定。


前足の外エッジの支えを外して。

その流れに乗って横にずれ。

後ろ足もその流れで引きつける。


それと別に。

後ろ足で蹴り出すことで。

前足を持ち上げて横にずれ。

同じように後ろ足を引き付けてみる。


どちらがきちんと躱せるか。

勿論。

また異なる原理で躱す方法もあるとは思うけれど。


前者の動きは。

重心の動きが素直。

横に加速しながら動き続ける形になる。

単調にみえながらも。

加速運動は捉えづらく。

刃物側も追いきれずに外れてしまう。

同じように重心が動き続ければよく。

前足→後ろ足、の順で足が動いても。

両足同時に滑るように動いてもいい。

大事なのは重心が綺麗に滑りこむことで。

そこから現れた外の事象は置いておいていい。


一方。

後者の動きは。

どんなに瞬発しても。

実は。

後ろ足で蹴るために。

一度重心を後ろ足に渡している。

そうして前足を軽くして。

跳ぶように動こうという算段だ。

ただ。

そうした後ろ足はその後動きづらく。

その結果。

着地した前足に重心がすべて移って。

前足を軸に。

回転運動をするとかして後ろ足が動かされることになる。

結局。

蹴り出すために重心がぶれて居着きが起こって。

躱すための動きは軸運動となって。

軸がよくみえるようになる。

前手でカバーするとかすれば。

刃物を逸らすことはできるけれど。

統一感のない無理な動きになってしまう。


そして。

揃った運動とばらばらの運動の違いは。

その後の状態にも違いをもたらして。


それは。

慣性が揃うか揃わないか。

前者の運動は全身の慣性が揃うことで。

その後の動作に一定の力を纏うことができる。


試しに。

躱した後で手で相手を引っ掛けてみると面白い。

止まった状態で手を絡ませるのと。

進むものが手を絡ませてくるのと。

如実にその差が現れてくる。


それぞれの運動の差をどちらも再現して。

動きの差を知ることも。

いろいろな気付きや学びがあって面白い。

そんな練習の一幕でした。

2016年3月26日(土) 練習日誌② 小八極:閉襠捶~搋捶

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八極拳の套路練習。

小八極から閉襠捶(へいとうすい)と搋捶(ちゅあいすい)。

白鶴亮翅が終わって一本足立ちしているところから。

左足を伸ばして地面にちょんとつける。

その支えに頼るようで頼らないようにして。

重心と体を伸ばした足にスライドさせていく。

この移動と入れ替わるように。

勾手にしていた後ろ手を。

小胸筋から順に緩めて胸前まで誘導する。

入れ替わることが大事。

後ろ足の外エッジでブレーキが掛かったことを契機に。

前手が勢いよく側面に回収される。

白鶴亮翅で膝への打ち付けを躱した相手の。

頭をさらに挟みこもうとする形。

結構しつこい。

ここまでが閉襠捶。


転じて。

右側に向き直って。

すぐに後ろ足に移動。

このときに左肩が少しだけ出て戻ることで。

左手が伸ばされて押さえ込みが成立する。

虛步探掌と似た原理。

そこから爪先立ちになった前足の支えを外して。

一歩踏み込んでいく。

ただ単に支えを外すと落下してしまうので。

蹲歩雙伸と同じように。

下→上→下の体幹の動きを使って留める力を生み出す。

これがそのまま沈墜勁につながる。

馬歩に移りながら。

肩甲骨を寄せることで。

沈墜勁の上下の力を左右に展開して。

十字勁を合わせることで捶を放つ。

この辺りは頂心肘と原理が同じ。

捶の向きは斜め下。

まともに喰らうと大変なことになる…。


小八極は。

套路を通して。

原理を積み上げながら練ることができるようになっている。

慌てて先に進むよりも。

はじめに登場する動作を。

きちんと噛みしめながらゆっくり進むのがいい。

そんな練習の一幕でした。

2016年3月26日(土) 練習日誌① 姿勢を整えて均衡を崩す

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立身中正を整えて立つ練習から開始。

胸郭の置き所などを微調整。

姿勢を整えることがその後動くための布石になる。

姿勢を保つことは。

余分な力を抜くことではあるのだけれど。

必要な力を抜いていることではなくて。

そこかしこに拮抗する力も残存する。

その均衡状態だ。


そこから特定の部分の筋肉への入力を抜いて。

姿勢を崩す練習へ移行。

より体幹に近いところを選んで。

筋肉を緩ませるようにする。

筋肉は拮抗筋が存在するから。

似た動きをしようとしても。

力を入れることで拮抗筋に勝って動かすことも。

力を抜くことで拮抗筋に負けて動かすことも。

どちらもできるようになっている。

勿論。

どちらを選ぶかで。

その作用は異なっていて。

その後の動きの流れも変わってくる。

後者を選択することで形を変えていく。


いくつかの簡単な動作で試したら。

蟷螂拳の小虎燕拳から。

順風掃葉式(じゅんぷうそうようしき)を用いてみる。

弓歩の状態から背中を反らせて。

顔の前を後ろ手で払いながら。

さらに一歩踏み出て横劈軋(へきあつ)を放つ。

一見するとアクロバティックな技に見える。


はじめの背中を反らせて手で払うところ。

単に形だけを瞬発的に作ると。

本当に相手の手を払うだけになってしまって。

その後の侵入が一か八かになってしまう。

背中を反らせるということは。

背筋で引っ張るだけでなく。

胸郭を前に留めている筋肉を抜くことでもできる。

背中を反らすというよりは。

胸郭が後方にずれながら若干回転する感じ。

そこで生まれた慣性に従うように。

腕の力も順番に抜きながら顔の前を通過させる。

このように動くことで。

体幹から末端への動きを実現して。

素早いながらも伝達性のある勁力を起こせる。

相手の突きはこの伝達に従って。

吊り上げられるように誘導される。

払った流れをそのまま活かして。

劈軋を横向きにしたように。

斜めに斬り下ろして薙ぎ払う。

相手を崩しておくことで侵入の危険も減らせることになる。


套路の中に登場する動きは。

複雑にみえたりするので。

その形の再現に囚われがちだけれど。

ひとつひとつを丁寧に分解してみると。

それぞれが理に適った動きになっていることがわかる。


ただ。

普段異なる動き方をしてきていると。

頭の神経命令が揃っていなくて。

始めの内は混乱してしまう。

自分の身体の指揮系統の躾し直しだ。

そんな練習の一幕でした。

練習予定:2016年4月9日(土)

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東京の練習予定日です。

日付 2016年4月9日 土曜日
時間 15:00~17:30
施設 文京区総合体育館(本郷三丁目 or 湯島)
場所 スポーツ多目的室A面

日付 2016年4月23日 土曜日
時間 15:30~18:00
施設 文京区スポーツセンター(茗荷谷)
場所 多目的室A面

※見学・体験OK(費用なし)です。
※体験されたい方は運動できる恰好を用意ください。
※事前にメール連絡をお願いします。

2016年3月19日(土) 練習日誌③ 形意拳:鶏形の踏み出しで喉を突く

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形意拳の套路練習。

十二形拳から鶏形。

起式の途中。

並歩のまま両腕を掲げ挙げて肚に収めたところ。

ここから左足を大きく前方に踏み出す。

前足底の支えを外すようにして。

決して。

踵で蹴り上げないように注意。

左足の足の裏は。

できれば地面を擦るような感じで。

適度に前方にスライドしたら。

左足の拇指球辺りで再び支持を得る。

急に止められた進行は。

大腿骨までとして。

そこから上はばたりと前方に倒れ込む。

この倒れ込みも。

後ろ足と一直線になる程度のところで。

ぴたりと止めていく。

その停止を取っ掛かりに。

上腕、肘、前腕、手首、手先へと。

すべてが真っ直ぐのレールを行くように。

前方の相手の喉元に向かって。

その嘴(くちばし)をもって。

ぐさりと突き出して行く。

掌は天井を向くように。


腕の操作を間違えると。

ブランコのように。

手が放物線を描いて上に向かってしまって。

前方には力が発揮されないので注意。

肚元から喉元まで一直線だ。


前に留めた慣性を抜くようにして。

左足を少し後退させて。

左手を残し。

右手を肚元に戻し。

両手の甲を天井に向けて。

その身を立てたら。

三体式。

起式の終了となる。


ここから鶏行歩など套路の中身が始まるのだけれど。

起式を滑らかに澱みなく行えることが。

まずは第一でとても大事。

繰り返し。

繰り返し。

左、右、上、下、前、後ろと。

その羽と嘴を養っていく。

そんな練習の一幕でした。

~神秘と自然への道のりを悠々自適に共に歩こう~ 日本に伝わって、日本で育った中国拳法をベースにして、中国拳法の套路や概念を頼りに道を探求する会です。あくまでも楽しむこと。人生を豊かにする活動でありたい。本質を求めながらもたどり着くことに拘らない。求める過程を楽しんでいきたい。それを目指して、中国拳法の神秘性と実践性、道としての在り様に則って活動します。東京と愛知を中心に練習会を開催しています。

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