理を愉しむ中国武術を目指して <東京功夫 小桜会> Menu

2016年3月26日(土) 練習日誌① 姿勢を整えて均衡を崩す

Permalink:

立身中正を整えて立つ練習から開始。

胸郭の置き所などを微調整。

姿勢を整えることがその後動くための布石になる。

姿勢を保つことは。

余分な力を抜くことではあるのだけれど。

必要な力を抜いていることではなくて。

そこかしこに拮抗する力も残存する。

その均衡状態だ。


そこから特定の部分の筋肉への入力を抜いて。

姿勢を崩す練習へ移行。

より体幹に近いところを選んで。

筋肉を緩ませるようにする。

筋肉は拮抗筋が存在するから。

似た動きをしようとしても。

力を入れることで拮抗筋に勝って動かすことも。

力を抜くことで拮抗筋に負けて動かすことも。

どちらもできるようになっている。

勿論。

どちらを選ぶかで。

その作用は異なっていて。

その後の動きの流れも変わってくる。

後者を選択することで形を変えていく。


いくつかの簡単な動作で試したら。

蟷螂拳の小虎燕拳から。

順風掃葉式(じゅんぷうそうようしき)を用いてみる。

弓歩の状態から背中を反らせて。

顔の前を後ろ手で払いながら。

さらに一歩踏み出て横劈軋(へきあつ)を放つ。

一見するとアクロバティックな技に見える。


はじめの背中を反らせて手で払うところ。

単に形だけを瞬発的に作ると。

本当に相手の手を払うだけになってしまって。

その後の侵入が一か八かになってしまう。

背中を反らせるということは。

背筋で引っ張るだけでなく。

胸郭を前に留めている筋肉を抜くことでもできる。

背中を反らすというよりは。

胸郭が後方にずれながら若干回転する感じ。

そこで生まれた慣性に従うように。

腕の力も順番に抜きながら顔の前を通過させる。

このように動くことで。

体幹から末端への動きを実現して。

素早いながらも伝達性のある勁力を起こせる。

相手の突きはこの伝達に従って。

吊り上げられるように誘導される。

払った流れをそのまま活かして。

劈軋を横向きにしたように。

斜めに斬り下ろして薙ぎ払う。

相手を崩しておくことで侵入の危険も減らせることになる。


套路の中に登場する動きは。

複雑にみえたりするので。

その形の再現に囚われがちだけれど。

ひとつひとつを丁寧に分解してみると。

それぞれが理に適った動きになっていることがわかる。


ただ。

普段異なる動き方をしてきていると。

頭の神経命令が揃っていなくて。

始めの内は混乱してしまう。

自分の身体の指揮系統の躾し直しだ。

そんな練習の一幕でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿

~神秘と自然への道のりを悠々自適に共に歩こう~ 日本に伝わって、日本で育った中国拳法をベースにして、中国拳法の套路や概念を頼りに道を探求する会です。あくまでも楽しむこと。人生を豊かにする活動でありたい。本質を求めながらもたどり着くことに拘らない。求める過程を楽しんでいきたい。それを目指して、中国拳法の神秘性と実践性、道としての在り様に則って活動します。東京と愛知を中心に練習会を開催しています。

Powered by Blogger.