理を愉しむ中国武術を目指して <東京功夫 小桜会> Menu

雑記:勁力は伝わりビリヤードの如く

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練習風景からの切り取りをまたひとつ。

青竜出水、欄捶の練習を推し進めて。

力の伝達のことはじめも加えていく。

少しずつ積み重ねるように。

重ねたものの効果を測るためのちょっとした遊び。

キックミットを横にしてひとりが持ち支えて。

キックミットを挟んで二人が向かい合う。

一人はキックミットの面に両手を重ねて足は前後。

衝撃に備えて踏ん張る姿勢。

もう一人は勿論キックミットに捶を放つ。

それぞれ練習した式を用いて。

肚から起こる勁力を繋げて。伝えて。突き立てて。

体重や単なる筋力で打った場合は。

キックミットはその身を萎ませて双方の対立に潰される。

上手く勁力が伝わったときは。

キックミットはあまり変わった様子をみせず。

寧ろ固さを保ったままのようにすらみえて。

踏ん張り役の人だけが。

キックミットから引きはがされて後方に跳ねる。

そんな大げさに吹き飛んだりはしないけれど。

2つ並んだビリヤードの球にきれいに白玉を当て込んだように。

小さいながらも確かに弾ける。

身体を抜けるものがある。

人の身体を頻繁に打つわけにはいかないので。

こうやって遊ぶように試してみるのも時には必要。

そんな感じで勁力は通り抜けるものだから。

間違ってもキックミットを越えた先に。

脇腹とか急所に繋がる部分を置かないように。

遊びにも最低限の注意が必要。

そんな自然の理のひとつ。

雑記:濡れ雑巾を留めるように

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先日の練習の一環。

打撃で力を伝達する練習のひとつ。

はじめから触れた状態で肘や肩周りの力を抜くことはしているけれど。

触れてない状態から始めることのことはじめ。

パートナーに掌をこちらに向けて差し出してもらう。

そこに向けて腕を軽く振るようにして拳をパートナーの掌に到達させる。

そのまま腕を自由落下に任せると。

腕が棒のようにまた振り戻って行って。

相手にも特に何の作用も起こらない。

パートナーの掌に拳が到着したら。

その拳をなるべく保つように。

拳が掌に密着を続けるように。

それがなるべく長い時間続くように身体を操作する。

拳が落下してしまわないように。

肘の力を緩めて拳は同じ位置を保つようにする。

肘が曲がったときに拳が引かれてしまわないように。

軽くお辞儀をするように拳の自分の身を近づける。

それは濡れた雑巾を軽く振って黒板とかにぺちゃりと着けて。

それが落ちないように工夫するのに似てる。

そんな意味のない遊びしたことないかもしれないけれど。

そんなイメージで遊んでみるのも一興だとは思う。

上手く力の伝達が働けば。

拳が落ちる前に、相手に作用が働いて。

バランスを崩して前のめりになったり。

差し出した手が拳の落下に引きずられたり。

膝がかくんと落ちたりもする。

原理や現象は肩に手を置いて肘の力を抜いたときと変わらない。

まだまだほんのことはじめ。

相手を打つのではなくてまずは触れるところから。

そんな自然の理のひとつ。

2015年10月17日(土) 練習日誌② 肩からの落とし

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力を抜くことで起こる運動を伝える練習。

相手の肩に掌をぺたりとくっつけて。

肘の力を抜いたり。

肩甲骨を開いたとこから肩→肘と力を抜いたり。

今回はこれに股関節の抜きも加える。

間違えると膝を曲げて相手にぶら下がるようになってしまう。

なのではじめは兎にも角にも分割して。

股関節の力を抜いてお尻を少しだけ突き出すように。

身体は落ちても肩甲骨は開くだけで元の位置をキープ。

そこから後はその前の練習に倣って。

肩→肘→手首へと緩めの連鎖。

上手にできると相手は為す術なく頭(こうべ)を垂れることに。

もしくはそのまま膝も崩れて床にぺしゃんとなる。

はじめは大げさに動きを分けながら。

その内動きを小さくタイムラグも小さく。


股関節の抜きは体幹の動きになるので。

作用させる側も両手で相手の両肩に触れた状態から。

進めば片手で相手の肩に手を置きながら。

力の抜きと戻しを入れて手の加速も入れる。

ポンっと触れたときに作用させられるとベスト。

傍目にはちょこっと肩にとんっと手を置いただけで。

突然置かれた人が床に突っ伏してしまうかのよう。

突っ伏した人も思いがけない衝撃に声にならない声をあげるのがやっと。


連続で立っている人に作用を及ぼすと。

みな床に腰を下ろしたままぽかんとした表情で見上げることに。

でもこれもそれほど特別な技というほどでもない。

みんなが身に着けられる作法でしかない。

ちょっとした練習は必要ではあるけれど。

互いにみんなが掛けあえるようになると楽しいなと思った。

ただあまり頻繁に鉛直方向の衝撃を加えるのは体にはよろしくないかもしれない…。

受ける側の身体の整えも必要なので。

遊びながら漸進するのが一番。

そんな練習の一幕でした。

2015年10月17日(土) 練習日誌① 甩手

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練習のはじめは甩手(スワイショウ)から。

あまり形は拘らずにまずは左右に体を揺すりながら。

腕、肩、広背筋を特に緩めるように。

だらだら、ぶらぶらと捻じり振っていく。

慣れてきたら体を立てて。

なるべく頭が吊り下げられたように芯だけ整える。

回転半径の小さくなった腕はやや勢いづくことになる。

さらに一作法。

腰を振った後に腕が振られ始めたら。

カウンターを当てるように腰は真ん中に戻してしまう。

回転半径がさらに小さくなることと。

反対へ揺り戻す力が加わったことで。

腕の先端はさらに速度を回して自分の身体に打ちつけられる。

結構な勢いにはじめは驚くほどだ。

打たれる側の身体と、打つ側の腕の具合に注意しながら揺り戻しの感覚を養う。

あまり調子に乗ってやり過ぎるとどちらも損傷しかねないので…。


続いて腕を前後に振る。

こちらは膝と腰を柔らかく使って。

一見すると軽いスクワットのよう。

はじめはどうしても肩の付け根から腕を前後に振るだけになってしまうけれど。

なるべく腰・肚の前後の揺り動かしを起点とするように。

慣れたら同じく腕が振り上げられるときに先に肚の戻しを入れる。


最後は側方への揺らし。

前から見たときに肚がUの字を描くように。

それに合わせて腕も側方にぶらぶら。

見た目はウキウキした感じで楽しそうだ。

こちらも慣れたら腕と肚の動きに逆をつける。

真横への動きから少しずらして腰の回しを入れたり。

ひっくり返したUの動きを入れて∞(横8の字)につなげたり。


これらの動きは中国拳法であれば甩手として。

似たような動きがロシアのシステマでもフィギュアエイト(8の字)として成立している。


はじめは動きをとることで精いっぱいだけれど。

その内、姿勢を整えて小さな弾きだけで指先がちょこっと動くところまで進めていきたい。

そんな練習の一幕でした。

2015年10月10日(土) 練習日誌② 欄捶

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太極拳の青竜出水を取っ掛かりにして。

八極拳の欄捶(らんすい)を整える。

青竜出水は定歩で行うので勁力の伝播に集中できるのだけれど。

欄捶は移動を伴うのでその分焦点が絞りにくい。

だけれど。

八極拳はこの移動と捶法が一体なのも特徴なのだろう。


それでも困難さをちょこっとだけ分割してみる。

まずははじめから一歩進ませたところから。

右拳で打つのであれば。

腰を平らにして前後に足を開いて右足が着地したところ。

青竜出水と同じように左腰が出たところだと想定する。

後は左の跨の緩めを起点として打ち込むだけ。

拳を縦にして、幾分シャープな打ち出しになる感じ。

肚と胸の使い方を間違えると。

ただの回転突きになってしまうので注意。

回転になると遠心力が強く発生する。

強い遠心力はそれを抑え込むために打ち手の力みを誘発する。

力みを備えた腕では勁力は伝播しない。


慣れてきたら移動を加えていく。

欄捶の打ち終わりから、振り返って後ろに打ち込む形。

注意点は重心移動したり足から動いたりしないこと。

腰を輪切りにするような肚の動きを起点として。

足は結果動かされる。

足の着地の反作用で動きが次々に生み出される。

だけれど鬆腰鬆跨(しょうようしょうこ)が十分でなかったら。

はじめは脚の反作用、反力は用いない方がいい。

それは体を浮(ふ)の状態に導くだけになってしまう。

そこにはほどよく繋がって緩んで柔らかな丹田の運動が必要だ。

まずは丁寧に肚→腰→膝→足へと動きを繋げていく。


欄捶は八極拳の基本の捶法のひとつ。

これがきちんと身につくだけでも。

動きの質そのものが大きく変わっていくことになる。


そこに向けての手順ははじめは煩雑に思えるけれど明確だ。

会員さんもそのステップに熱中して練習してました。

自分の身体と対話しながら。

学ぶべきものは外だけじゃなくて。

そんな練習の一幕でした。

練習予定:2015年10月17日(土)

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愛知の練習予定日です。

日付 2015年10月17日 土曜日
時間 10:00~13:00
施設 刈谷市内
場所 多目的室

※見学・体験OK(費用なし)です。
※体験されたい方は運動できる恰好と室内シューズを用意ください。
※事前にメール連絡をお願いします。
※施設の場所はメールをいただいた後に別途連絡いたします。

2015年10月10日(土) 練習日誌① 背折靠~青龍出水

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愛知の練習に倣って青龍出水(せいりゅうしゅすい)を練習。

その前段階として。

肚(はら)-胸-肩甲骨を順番にずらして動かして体を慣らす。

套路の形にはすでに慣れているので。

背折靠(はいせつこう)の終わりの姿勢から始める。

馬歩で右腕を真横に伸ばしている状態。

ここから丹田を起点に、跨と腰を緩めながら右腕を前方に流してくる。

左肚→右肚と揺蕩う(たゆたう)動きによって。

左手は前方を押さえ、右手は自然に後ろに引かれる。

この時点で左腰が前に位置するので。

愛知での練習と同様に左の跨を緩めることで右の拳が打ち出される。

一連の動きは緩みで起こされて切れ目がなく。

独特の抖勁(とうけい)を養う上でも分かりやすい動作になっている。


ここからひとつ遡って背折靠も練習。

こちらもその前の撇身捶(へいしんすい)の終わりの姿勢から。

撇身捶で撓んだ(たわんだ)下肢を緩めることで。

一旦体が左に揺れるように流れる。

右腕の肩と肘を緩めることで。

折れ曲がっていた腕が解放されて右方を示した直後に体正面への揺れが引き起こされる。

そのときには跨と丹田の働きで右方真横に揺れが対抗するように発生して。

右の靠はその背を折るように一瞬体の前方に追い越される。

後は靠→肘→手首→拳と、順に勁力が伝播していく。

全体的に初めはゆっくりと練習する方がいい。

肩から先の関節の前後で自分で力を生んでしまう場合。

それぞれの関節を中心とした遠心力で動きが形成されやすい。

そうすると特に肘に反作用が集中しやすくて。

痛めやすくなるので注意が必要だ。

身体の中心から滑らかにつなげていければ。

速度が上がっても勁力が先端に抜けていくだけで済む。


背折靠の流れが定まると。

青竜出水の始まりも滑らかになる。

知らない人がみたなら。

すべて一連の動作にみえるかもしれない。


勿論。


背折靠はその前の撇身捶の流れが定まることで。

同じく滑らかに、力むことなく入ることができる。

撇身捶はその前の七寸靠(しちすんこう)から。

そしてその前の…前の…前の…。

結局すべては無極式→起式から起こる一波から。

そんな練習の一幕でした。

2015年10月3日(土) 練習日誌②

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体幹の操作はまずはみぞおちで体を上下に分割するところから。

足を肩幅に開いて立ち上がり。

お腹を左に切る。

だけれど胸はなるべく正面のまま。

続いて捩れて張った力を抜く。

腰を切った力は留め置く。

胸がお腹に引っ張られて左に切れる。

まずはこれだけ。

見た目には捻転して力を溜めて上体を振っているような動作。

はじめはそれと変わらなくていい。

パートナーに前に立ってもらって。

自分が相手の両肩を軽く挟んでもらうか、相手に自分の両肩を持ってもらうか。

初学であれば持ってもらう方が簡単だ。

その状態で腹→胸と動かすと、相手が崩されて横に動かされる。

ここの反応は人それぞれだけれど。

腹と胸が分割できたら、肩甲骨も含めて三分割にトライ。

余裕ができたら前半にやった肘の緩めと力の伝達も加えてみる。


太極拳を進めている人はここから青竜出水(せいりゅうしゅすい)へ。

姿勢を中腰に移して。

左腰を自然な位置から前に出して用意。

前に出すための力を緩めることで左腰は自然な位置に戻ってくる。

自然な位置を通り過ぎることで。

腹→肩甲骨→肘→手首の緩めによる連鎖が始まる。

勿論これだけではこの形は完成しない。

だけれどまずは力みや頑張りでない勁力を体感できる。


お試しとして右拳は前に残したまま。

相手に足を前後にして両手を合わせてその拳にあてがってもらう。

自然な緩みの伝達に成功すれば。

体格の小さな女性でも。

体格の優(まさ)る男性を後ずさりさせることができる。

下がった方も下げさせた方も。

どちらも何かの間違いだと思って。

頑張ったときの場合を試して微動だにしないことを確認する。

相も変わらず狐に化かされたように感じる光景。

自然を目指しながらそんな非日常感を味わう。

それもひとつの醍醐味だなと僕は思う。

そんな練習の一幕でした。

練習予定:2015年10月10日(土)

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東京の練習予定日です。

日付 2015年10月10日 土曜日
時間 12:00~14:30
施設 文京区総合体育館(本郷三丁目 or 湯島)
場所 スポーツ多目的室B面

※見学・体験OK(費用なし)です。
※体験されたい方は運動できる恰好と室内シューズを用意ください。
※事前にメール連絡をお願いします。

2015年10月3日(土) 練習日誌①

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本日は体験の方が1名混ざっての練習。

先回の復習も兼ねて肘、肩甲骨を緩めることで力を伝える練習から。

相手の肩に手を置いて、緩めることで作用させる。

始めてだとやっぱり指先に力が入ってしまう。

しがみつくように指を立てて引っ張ってしまう動作だ。

頑張るのではなくて自分の身体をコントロールするのが大事。

日頃の習慣に対する切換えができるようになるまでは頭との格闘だ。

まずは肘だけ。

肩甲骨⇒肘の順番。

両手を両肩に掛けて。

片腕を両腕で掴んでもらって。

両腕を両手で掴んでもらって。

前にならえの姿勢の内側から両手を触れて。

手の平を下に向けてもらって下から手の甲を触れて。

最後は相手の首に両手を掛けて。

いわゆる首相撲の形だ。

ここでも練習のためにやり易くするため。

首に掛けた両腕を前方に伸ばすようにして用意しておく。

そこから肩甲骨⇒肘と緩める。

首に掛けた両手は組むことだけで力は入れない。

自由度が低い分上手く行くペアが多かった。

おもむろに互いにお辞儀させられる様はちょっとシュールだったけれど。

力を伝達するための接着も慣れが必要ではある。

腕の操作を練習した後は、体幹の操作に移っていく。

~つづく~

~神秘と自然への道のりを悠々自適に共に歩こう~ 日本に伝わって、日本で育った中国拳法をベースにして、中国拳法の套路や概念を頼りに道を探求する会です。あくまでも楽しむこと。人生を豊かにする活動でありたい。本質を求めながらもたどり着くことに拘らない。求める過程を楽しんでいきたい。それを目指して、中国拳法の神秘性と実践性、道としての在り様に則って活動します。東京と愛知を中心に練習会を開催しています。

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