理を愉しむ中国武術を目指して <東京功夫 小桜会> Menu

雑記:八卦掌の裹滾鑚掙の循環

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八卦掌の基本練習に裹滾鑚掙という動作がある。

裹…か:包むだとかそんな意味:肘を曲げて体の前をカバーする
滾…こん:転がすだとかそんな意味:肘を外に開く
鑚…さん:突き出すとかそんな意味:指先も肘も伸ばして前を刺す
掙…そう:抜け出すとかそんな意味:※解釈が色々

動きに慣れると推手のように二人練習するところもある。

この動きが八母掌(はちもしょう)の套路にもつながる。

その基礎になる動きだったりする。

動作だけ外からみると割と単純な動きにもみえたりする。

ちょっと煩雑な節の動きではあれども。

慣れればなんてことはない。

人間は器用だ。

だけれど。

この動きを、腕の節運動ではなくて。

身体を使った連節運動だと捉えると状況は一転する。

どうやって体を操作すればこの動きになるのか。

特に掙(そう)の部分はどう繋がるのか。

「解釈は色々」になってしまってるのはいただけないけれど。

僕は語訳の通り腕を引き抜く動きだと解釈してる。

この引き抜く動きの中に、通臂(つうひ)だとか伸筋抜骨(しんきんばっこつ)だとかの"状態"が内包される。

ここに八卦掌の発勁動作の一端が現れる。

この動きが色々な方向に循環させられるように。

体を練っていくのは一種の楽しさでもある。

ちなみに。

掙(そう)には「貯める」という意味もあるらしい。

蓄→制→御→発、循環して続いていく。

そんな自然の理のひとつ。

練習予定:2015年10月3日(土)

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愛知の練習予定日です。

日付 2015年10月3日 土曜日
時間 10:00~13:00
施設 刈谷市内
場所 多目的室

※見学・体験OK(費用なし)です。
※体験されたい方は運動できる恰好と室内シューズを用意ください。
※事前にメール連絡をお願いします。
※施設の場所はメールをいただいた後に別途連絡いたします。

雑記:カマキリは節を持つ昆虫

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練習会と別にして蟷螂拳を練習。

蟷螂拳は蟷螂(かまきり)の動作を元にしたと言われている。

その中でも節の動きを抽出して練習。

ここでの節は肢(あし)ではなくて。

胸部と腹部で分かれるというところ。

人間だと胸部と腹部はイマイチ分割していることが一見わかりにくいのだけれど。

彼らはがっちり分かれている。

外から観察しても節くれだっていることが一目瞭然だ。

腹部は後ろに折れ、胸部は上に反り立つなんてこともする。

ヌンチャクの動きでもそうだけれど。

節のある動きは、それぞれが別々の運動をすることで速さや威力につながる。

また、何より読めない動きに繋がっていく。


蟷螂拳では特に、胸部と腹部を分割したような形や動きが多い。

七星歩だとか捕蝉式もそうだ。

先ほどの蟷螂(かまきり)よろしく、腹部は落下、胸部はかち上げなんて動きができる。

套路の中で自然に体得していくこともできるけれど。

たまには意識して切り出してみるのもいい。

本来は脊椎でもっと分かれる人間の体を2つの部分に分解してしまうのは自由度が落ちるようにも思える。

乱暴に思えるかもしれない。

とはいえ、実際にやってみればわかるのだけれど。

2つの部分をばらばらに作用させることは、意外と難しい。

そんな操作を忘れてしまってるから。

そして。

2つの部分(1つの節)+肩甲骨、肘、手首と、跨、膝、足首なんて。

七つの節を操ろうと思ったら結構なものだ。

実際は両腕、両足だから倍近くになる。

これらを論理立てて動かすのはちょっとハードルが高いけれど。

まずは胴体を二分する、ひとつの節に注目すれば。

他の節も自ずと、まさに連節してくれる。


そんな自然のひとつの理。

2015年9月19日(土) 練習日誌②

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單鞭・単鞭練習の続き

右腕に続いて左腕へ。

こちらも基本的には右腕と動かす原理は同じ。

胸⇒肩甲骨⇒肘へと緩みと運動を伝播させていく。

右腕と違うのはこちらは一往復で射出させるというところ。


また、運動の初めに人差し指辺りを中心に捻じりを入れておく。

こうすることで発勁時にもうひとつ複雑な運動を混ぜ込むことができる。

その発動はあくまで用意して捻じった力を抜くことによる。


左腕の練習もはじめは鞭が順番に動くようにゆっくり確認しながら。

次第にシャープに。

シャープにしたらまたゆっくりと滑らかに。


試すときは相手に両手を合わせて前に差し出してもらう。

ミットとかあればその方がいいだろう。

ゆっくりと体の中心からの動きが相手の差し出した掌に到達すれば。

それほどの衝撃は感じないのに体が後方に崩れていく。


昔僕が単鞭を習ったときは、左手は口元から出すようにと教えてもらった。

その口伝はその通りであって。

身体の中心からの運動がその通りになれば自ずと左手は口元を経由する。

それは無理矢理口元を経由するように動かすのとは少し違う。

形を守るのか、結果、形が守られるのか。

この辺りは少し気にしながら進めていきたい。


さて。左腕の動きを掴んだら。

右と左の動作の合わせこみ。

胸を起点にした動きとして、どこからどちらの動きがはじまるか。

自ずとその順番は定まるのだけれど。

体感として遊ぶようにその連鎖を辿って行く。


左右が整ったら。

腰と跨を付けたし。

付け足しと言うにはその差は大きいのだけれど。

鬆腰鬆跨(しょうようしょうこ)を守ることでその推進力が得られる。

それを合わせこむことで。

胸を起点とした左右の手の勁力が、股関節を起点とした勁力に置き換わる。

ここまで整わせてひとまずの形の完成だ。

分解すると反対に頭のコントロールが難しいかもしれない。


ちなみに単鞭は左右分解しても使えるし。

それぞれは靠(かお)、肘、手首、拳、掌、どこからでも勁力が発揮できる。

鞭による勁力の伝達を理解するのにもとても適した形だと思う。

頭と体に汗を掻いてもらった。

そんな練習の一幕でした。

2015年9月19日(土) 練習日誌①

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残暑が若干響くものの練習し易い気候になってきた。


本日は陳家太極拳から單鞭・単鞭(たんべん)をクローズアップして練習。

愛知でも取り組んでいるように。

力を抜くことで力を伝達させることを中心に据え置く。

単鞭で鞭とされるように。

左右それぞれの腕を鞭のように振るう。

鞭といっても、中国では九節鞭(くせつべん)のように。

節を持っていてもしなやかであれば鞭になる。

腕も肩甲骨、肘、手首とその節々を介して鞭を象る。


套路の単式としてでも完成させることは難しいので。

まずは右腕一本に絞って分解練習。

単鞭で自分の前を掬うようにして抓み手で終わる動きだ。

ここでの動きの起点は胸から。

壇中(だんちゅう)の辺りの緩めからはじめる。

胸⇒肩甲骨⇒肘へと順番、連続に緩めをつなげることで自然と腕が体前面にやってくる。

その頃には胸の緩めによる運動は向きを変えていて。

それに従った肩甲骨⇒肘⇒手首が体の外に弾き出される。

鞭と表されるその象りに合わせて運動のタイミングが決まってくる。


はじめは大げさ気味に体を練り込んで。

動きの意味を掴んで来たら胸の動きを小さく隠していく。

シャープに動くこと、反対にゆったり動くこと。

どちらも意のままに。


はじめて取り組むとその運動のコントロールが難しい。

慣れてしまえばタイムラグも生じず自然な動きに消化されていく。


その作用を試すために、相手に腕を一本突きだしてもらう。

突き出された腕を右手で抓み手の形で握る。

始まりの形は違えども、起こす運動を同じにすれば。

相手は抵抗の仕方が分からない勁力に揺さぶられて大きく体を崩すことになる。

何としてでも動くまいとしてもらってもう一回。

外見では耐えられているように見えても、その内部への作用が効く。

肘⇒手首への緩めで勁力が預けられると、最後は耐え切れずその場にしゃがみ込むことに。



これはまだまだ右腕一本。

少し長くなったので続きは日を変えて。

練習予定:2015年9月19日(土)

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東京の練習予定日です。

日付 2015年9月19日 土曜日
時間 12:30~15:00
施設 文京スポーツセンター(茗荷谷)
場所 多目的室A面

※見学・体験OK(費用なし)です。
※体験されたい方は運動できる恰好と室内シューズを用意ください。
※事前にメール連絡をお願いします。

2015年9月12日(土) 練習日誌

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少しずつ秋が近づいてきて、練習し易くなってきた。


今回の練習は力を抜くことがテーマ。

まずは甩手(スワイショウ)から。

いつもは軸をはっきり立てることに主眼を置くのだけれど。

それを崩してなるべくやる気のないように身体を振るようにする。

振り回された腕に引っ張られて胸や背中が緩むように。

左右に重心も移動してしまってぶんぶん振り回す。

やるほどに遠心力で血液が手先に集まってくる。

ひとしきり回したら手を頭上に挙げて細かく震(ふる)って血液を下げてやる。


ここから脱力による重さの伝播の作用を試していく。

練習相手に手の平を上に手を差し出してもらう。

その上に重ねるように手を置いて。

かくんと肘の力を抜いてやる。

このとき重ねた掌と手首はすぐには脱力しないことが注意点。

上手くできると相手はその重さに引きずられるように床にぺしゃんと崩れ落ちる。

はじめは相手が軽くおじぎするくらいでも上々だ。


上手くいっても所謂反作用で生じる力感というものがない。

まさに狐につままれたような感じ。

20㎝以上の身長差がある男性を女性でも力抜きで崩すことができる。

できても感想が出てこずにはにかんでしまう様がまた面白い。


肘と手首の部分的な作用を試したら。

肩(肩甲骨)も含めて少しレベルアップ。

肩甲骨は力を抜いて重さを使うと言っても、肩を上げたりはしない。

後々の展開を考えて肩甲骨を開くことによってその用意をする。

そしたら肩⇒肘⇒手首と順番に力を抜いていく。

とにかくこの順番を守るためのコントロールが肝要だ。


同じように掌から作用させて崩したり。

肩を組むように相手の首に手を引っかけたところから崩したり。

前に立てて掲げ挙げた腕の手首を掴んでもらったところから崩したり。

遊ぶようにして繰り返しそのコントロールを学ぶ。


功夫は単なる力のトレーニングじゃなくて。

こういった身体の使い方を練っていくことにある。

まだまだことはじめなれど。

法則を守ることで生じる作用を楽しんでいければと思う。

そんな練習の一幕でした。

~神秘と自然への道のりを悠々自適に共に歩こう~ 日本に伝わって、日本で育った中国拳法をベースにして、中国拳法の套路や概念を頼りに道を探求する会です。あくまでも楽しむこと。人生を豊かにする活動でありたい。本質を求めながらもたどり着くことに拘らない。求める過程を楽しんでいきたい。それを目指して、中国拳法の神秘性と実践性、道としての在り様に則って活動します。東京と愛知を中心に練習会を開催しています。

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